おりすじ
「嬉しいことです!」 笠原邦彦
この3ヶ月あまりの間、この世界のニューリーダー3人と次々に初対面の機会が得られて、実に嬉しいことでした。まずは愛知の川畑文昭さん、次がシンガポールのフランシス・オウさん、そしてNOAによる海外からの招請作家の第1号となられたアメリカのロバート・ラングさん。このラングさんのときは、探偵団主催の歓迎会で、木村団長を筆頭に川畑、西川、吉野、目黒の四天王を始め、ジョン・モントロールさんまで出席されて、これで、FOCAのビッグ4の、その二人の顔も揃ったわけです。いやあーこれは壮観でした!そしてそんな場面に居合わせ、正に「折り紙の爛熟期」のまん中に居る思いがしたものです。
これも山口真さん、青柳俊明さんのご尽力に負うものとて、大感謝。
さて、ものごと一般に、その成長や普及の度合いは、加速度的に成されるものです。これは怖いものの例ですが、人口の増加の度合いは、アダムとイブの2人から今日の50億間で、倍倍と増えるスピードが確実に加速度的だそうです。従って25億が50億に成るのに100年掛かったのなら、50億が100億に成るのには50年だとか!
この事実に合わせて、環境破壊も加速度的に進むわけでこれは怖い!
まあこれを止める知恵に期待するしかありませんが、こと折り紙については、ぜひ加速度的に進歩普及してほしいもので、間違いなくそう成るだろうと確信出来ます。そして、折り紙好きが増えることは、美や真理や調和を愛する心が広まることでもあるでしょうし、国境を越えた友情も広がることでしょう。そしてそれは自然や環境の抑止力を生み出してくれるだろうと期待出来ます。もちろん多少の紆余曲折はあることでしょう。しかし、全体としては間違いなく加速度的に前進することでしょう。コンピューターを自在に道具として使いこなすニューリーダーの人達。
ラングさんが「工夫の方法」を教えてくださったのですが、何とそれは目黒さんが教えてくださったことにそっくりで、正直私にはまだ十分に飲み込めずにいる新理論と、どうやらほとんど等しいものでした。
留まれ、共に優秀な頭脳の「期せずしての一致」と言うべきものなのでしょう!
そんなお二人の意見交換の様子、その傍らでのモントロール、川畑両氏の技法についての語らい。そうしうのを目にすると、折り紙それ自体の向上と共に、愛好する人の精神をも高めているように思われて、心が嬉しくジーンと成りました。
(8月記)
KASAHARA 1992 10/5