第9回JOAS創作折り紙コンテスト結果発表

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過去のコンテスト


コンテストの概要はこちらをご覧ください(第21回コンベンション特設ページ内)。

受賞者

第21回折紙探偵団コンベンション参加者、JOAS評議員による投票(JOAS賞2部門)と、おりがみはうす代表山口真氏による審査(はうす賞)の結果、以下のように決定しました。(敬称略)

JOAS賞 特別テーマ部門:「料理」

作品写真
「ワインをあじわいたいのなら」佐藤 亮平

JOAS賞 干支部門:「さる」

該当作無し

おりがみはうす賞(テーマ無し)

作品写真
「X-CUBE」櫻井 亮佑

受賞者には、記念の楯と副賞「第27期(2016年度)日本折紙学会会員権」が贈られます。おめでとうございます。

JOAS賞エントリー作品と投票結果

投票方法

コンベンション参加者は1人1ポイント。JOAS評議員(今回投票者10名)は1人最大10ポイント(配分可)を投票できます。得ポイント数がポイント総数の15%に満たない場合(今回は一般参加者390名・評議員参加者10名なので、73ポイント以下の場合)、該当作無しとなります。

JOAS賞 特別テーマ部門「料理」エントリー5作品

ポイントは、3位まで発表しています。
作品写真
  • タイトル:「ワインをあじわいたいのなら」
  • 作者:佐藤 亮平
  • 獲得:93ポイント(一般65/評議員28)(1位)

用紙・技法の説明 「788mm×788mmの緑色の色画用紙1枚の創作作品です。ピンで3箇所留めてある以外は、のりづけ等していません。」

作品の説明 「ワインボトル、ワイングラスの横に、収穫を終えたブドウと、その周りを舞う蜂鳥を1枚で折ってみました。おいしそうな空間を表現してみました。」

作品写真
  • タイトル:「えびの天ぷら」
  • 作者:亀井 浩平

用紙・技法の説明 「ツルの基本形から作った「むきえび」にテッセレーションの衣を組み合わせました。」

作品の説明 「「むきえび」に「テッセレーションの衣」を組み合わせる。というアイディアから創作しました。/「むきえび」は早くから出来上がっていたものの、「衣」のパターンを考えるのにひと苦労。紙を吟味した甲斐もあり、なんとかおいしそうにまとまってくれました。/お皿にのせて見たところ「なーんか緑が足りないなぁ」と栄養バランスの面から考え「ししとう」を即興で作って添え、さらに「高級な天ぷらにはえびの頭を素揚げしたやつがつくのではなかったか?」と思いつき、こちらも4鶴から作って添えてみました。/完成品を眺めてみたところ、これは単品で食べるよりそばに乗せたほうがおいしいタイプの天ぷらだと思います。」

作品写真
  • タイトル:「目玉焼き」
  • 作者:丸山 倫諒

用紙・技法の説明 「黄身を膨らませるために、あやめの基本形を広げて正八角形にした状態から紙をねじっています。白身はヒダが表に出てしまうとみっともないので、裏に隠して糊付けしました。形はあえて楕円形にしています。黒い皿は、紙のサイズは忘れましたが、正一六角形から成っています。」

作品の説明 「目玉焼きは25cm折り紙用紙、不切正方形一枚折り。/先割れスプーンは15×7.5cm不切正方形一枚折り。/ある日の朝食の一品をイメージしたものです。」

作品写真
  • タイトル:「プリンアラモード」
  • 作者:田中 幹人
  • 獲得:41ポイント(一般27/評議員14)(3位)

用紙・技法の説明 「プリン ベランカラー17.5cm/ホイップクリーム(大) キャンソンヴィヴァルディ 10cm/ホイップクリーム(小) キャンソンヴィヴァルディ 7.5cm/スプーン ホイル紙 15cm/さくらんぼ カラペ・民芸紙 15cm:7.5cm/カットフルーツ タント 大:7.5cm 小:6cm/さくらんぼ以外は45°や22.5°が基準となっています。プリンのカラメルは塗装しました。」

作品の説明 「たまたま、さくらんぼが完成したので飾るにはどうしようということから創作しました。ホイップクリームが特に難しかったです。」

作品写真
  • タイトル:「ギョーザにビール」
  • 作者:高橋 志典
  • 獲得:45ポイント(一般29/評議員16)(2位)

用紙・技法の説明 「ギョーザ…和紙(細切れした紙を貼ったもの)12.5センチ四方5枚/ビール…ホイル紙46.2センチ四方1枚(折り上げ後、厚紙で補強)/皿…折り紙用紙17.5センチ四方1枚(折り上げ後、厚紙で補強)/小皿…折り紙用紙(セロハンを貼ったもの)15センチ四方1枚/縁飾り…折り紙用紙7×0.875平方センチ12枚、同3.5×0.875平方センチ2枚、同1.75×0.875平方センチ8枚/箸…和紙19.4センチ四方1枚」

作品の説明 「「ギョーザ食いて〜」と言う気持ちを込めて作りました。」

JOAS賞 干支部門「さる」エントリー13作品

ポイントは、3位まで発表しています。
作品写真
  • タイトル:「サルと温泉」
  • 作者:小林 弘明

用紙・技法の説明 「温泉に入っているサルと温泉は1枚折り。サルの部分だけ紙の色を変えています。2匹のサルは、それぞれ1枚です。」

作品の説明 「※温泉に入るサル  不切正方形1枚折り ・・・・ 1個 (60cm)/※ニホンザル 不切正方形1枚折り ・・・・ 2個 (25cm/23cm)/サルをどう折るかイメージした時、温泉に入っている様子を表現できないかと考えました。/まず、サルの顔をどう折るか決めた後、残りの紙でインサイドアウトで湯と岩で囲まれた状態を表現しようと創作を進めました。」

作品写真
  • タイトル:「顔のある住居 The house assumed the look of 3- gorilla-dimensions」
  • 作者:安藤 ちかよ

用紙・技法の説明 「15cm×15cm コルキー紙 1枚/固定のために、和紙ばんそうこうおよび接着剤を使用」

作品の説明 「実際に人が入れるサイズで、この作品を作ることができるなら、もっと楽しかっただろうと思いました。/ご覧いただいて興味をもってくださった方によって、舞台芸術や建築デザインなどの分野に活用していただければ幸いです。/制作のために、参考となった折り方は伝承のあやめの花、そして前川 淳先生の虎の面です。」

作品写真
  • タイトル:「Monkey」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius

作品の説明 「This model was designed for upcoming monkey year. In my model I tried to show a playfulness of the monkey, because of that I used color changes and turned head. Model is designed using 22.5 degrees technique with diagonal graft.」

作品写真
  • タイトル:「見ざる言わざる聞かざる」
  • 作者:坪 正

用紙・技法の説明 「不切正方形24センチ 3枚(さる)/不切正方形35センチ 1枚(土台)」

作品の説明 「おそらくリアル系の作品が多いと思われるので、ほっこりできるかわいい作品になるよう頑張りました。/ただ折り方は信じられないぐらい難しいです。」

作品写真
  • タイトル:「大猩々」
  • 作者:亀井 浩平

用紙・技法の説明 「16等分蛇腹より。紙はマレーシアの草木染め手すき紙です。」

作品の説明 「「大猩々」とは「ゴリラ」の事です。実物より和風な感じになったかな〜と感じたのでそんなタイトルにしました。シンプルな基本形からいくぶん粘土的な手法で顔を表現しますが、ちょっとしたコツがあり結構簡単にゴリラの顔が出てきます。顔のモデルは最近話題のイケメンゴリラ「ジャバーニ」をモデルに。この作品のために足しげく地元の東山動物園に通いました(笑)」

作品写真
  • タイトル:「リスザル(コモンリスザル)」
  • 作者:小林 勇太
  • 獲得:47ポイント(一般31/評議員16)(1位)

用紙・技法の説明 「不切正方形一枚折り 60×60の民芸紙と雲龍紙張り合わせ」

作品の説明 「かわいらしさよりも悪戯好きなイメージで創作しました。リアルさを追求する為、あえて毛羽立ちは処理してません。また、この作品は見る角度によって印象が変わってしまう恐れがあるので、その他の解釈については、見ていただいた方にお任せします」

作品写真
  • タイトル:「老猿」
  • 作者:鶴田 芳理
  • 獲得:31ポイント(一般17/評議員14)(3位)

用紙・技法の説明 「53cm四方の揉み紙、不切正方形一枚折り。土台は別紙より。」

作品の説明 「高村光雲の木彫、「老猿」に感化された作品。力強さを表すため、ヒダによる筋肉の表現を試みた。」

作品写真
  • タイトル:「猿」
  • 作者:山本 大雅

用紙・技法の説明 「不切正方形一枚折り」

作品の説明 「時間の関係で顔のみになりました。」

作品写真
  • タイトル:「いぃ湯だな。 (THE bathing)」
  • 作者:田中 幹人

用紙・技法の説明 「紙: サル本体 民芸紙 茶色、湯 雁皮紙、サルの顔 備中和紙 赤/63.5cm四方 不切/22.5°を基に制作」

作品の説明 「時代が進むに連れて、なににおいてもスピードが求められてきてます。そんなことばかりじゃ息苦しいでしょう。息抜き、そして癒されましょう。 「はあぁぁ〜」となりそうな表情を実現するのが難しい点です。気持ち良さそうに見えたら嬉しいです。お湯部分はある程度形を変えることが出来ます。なお、萩原元氏が同じテーマでご自身の作品をアレンジされてますが、それの影響は有りません。」

作品写真
  • タイトル:「釈迦の掌の上」
  • 作者:北西 一貴
  • 獲得:40ポイント(一般23/評議員17)(2位)

用紙・技法の説明 「使用した紙:障子紙/大きさ:1m x 1m/数、用紙形等:正方形不切一枚折」

作品の説明 「『西遊記』より/釈迦に「私の右の掌から、ひと飛びで飛び出せたら神にしよう」と賭けを持ち出された孫悟空。悟空は筋斗雲に飛び乗り、空の端を目指した。 世界の彼方の5本の柱に落書きして小便をひっかけてきたが、そこは釈迦の掌の上だった。」

作品写真
  • タイトル:「猿奏会」
  • 作者:高橋 志典

用紙・技法の説明 「クラフト紙30センチ四方3枚(折り上げ後ニス塗り)」

作品の説明 「猿たちにシンバル以外の楽器を持たせてみました。3匹が持ってる楽器はフルート、チェロ、バイオリンです。」

作品写真
  • タイトル:「Baboon」
  • 作者:Madiyar Amerkeshev

作品の説明 「It was folded by me from a single square (60x60 cm) of two-color paper. This model is pretty steady, it can stand on four or three limbs, and it can lean on the tail.」

作品写真
  • タイトル:「猿」
  • 作者:高木 ひろみ

用紙・技法の説明 「不切正方形一枚折り おりがみトーヨー 24.0cm×24.0cm使用」

作品の説明 「顔、腹、尻が白くなるように工夫しました。鼻の内側のみのり付けしました。」

おりがみはうす賞エントリー作品

審査方法

おりがみはうす代表の山口真氏が審査し該当作が選出されます。(テーマ無し)

おりがみはうす賞エントリー12作品

作品写真
  • タイトル:「龍と魔王使い」
  • 作者:唐橋 大地

用紙・技法の説明 「75×75cm 折り紙1枚使用/魔法使いを表現するのが大変でした。」

作品の説明 「「Dragons,Witches,and other Fantasy Creatures In Origami」の中のDragons with Wizardを参考に作成。羽と尾をより立体的で力強く見えるように工夫しました。」

作品写真
  • タイトル:「parents and child flying with the stars」
  • 作者:Manna Ori

用紙・技法の説明 「made from 13 grams washi 80 by 80 cm 1 paper no cut」

作品の説明 「1 big star with 2 cranes with 1 small crane surrounded by 3 small stars」

作品写真
  • タイトル:「KUSUDAMA FLOWER BALL (4 PETALS WITH 6 UNITS)」
  • 作者:Boo Hwi Chien

用紙・技法の説明 「11.8MM X 11.8MM TOTAL PIECES OF PAPER : 24 PCS GLUED JOINT」

作品の説明 「I AM USING DOUBLE SIDED CONTRASTING COLOUR ORIGAMI PAPERS TO MAKE THIS KUSUDAMA FLOWER BALL. THE APPEARANCE OF FLOWER BALL WILL BE MORE SHARP & INTERSESTING BY USING DOUBLE SIDED CONSTRASTING PAPERS. PAPER SIZE: 11.8MM X 11.8MM & 24 PIECES PAPERS IS USING TO GLUE TOGETHER 6 UNITS OF 4 PETALS FLOWER BALL TOGETHER.」

作品写真
  • タイトル:「X-CUBE」
  • 作者:櫻井 亮佑

用紙・技法の説明 「正方形8枚、1:2の長方形12枚の合計20枚からなるユニット折り紙。紙の大きさは7.5cm×7.5cmと7.5cm×3.75cm。」

作品の説明 「立方体の面のパターンが「X」に見えることから「X-CUBE」と名づけました。」

作品写真
  • タイトル:「Hedgehog」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius

作品の説明 「I choose to design hedgehog because I was interested how you can represent spikes in the different way. In my model, I decided to use open sinks to create spikes illusion. Color changes help to easily understand which part of the model is a body. I also decided to create long nose with a color change at the end, because in my opinion it is the cutest feature of the hedgehog. Model is designed using diagonal box pleating using some 22.5 degrees technique at the tail and head.」

作品写真
  • タイトル:「Emotional Spread」
  • 作者:野崎 翼

用紙・技法の説明 「モノトーン 4枚、台座として木材、造形の保持・台座との貼り付けに ニスを使用。」

作品の説明 「1年ほど前に札幌のあるギャラリーで、ある抽象画家の絵を見た直後からずっと取り組んでいる、"impro-tessellation"「即興織り」(幾何学的制約をほとんど設けずに直接紙に即興で平織りをする)の流れの一つです。類似する先行作品として、Eric Gjerde氏、三谷純氏のVoronoi tessellation が挙げられると思いますが、本作は幾何学的製図や対称性を考えずに、その時々の気分だけで折っています。」

作品写真
  • タイトル:「ドラゴン」
  • 作者:高橋 瑞希

用紙・技法の説明 「両面ホイル(赤、金)一辺15cmの正方形 一枚」

作品の説明 「つばさの部分は裏面を出すために、ケイド・チャンさんのドラゴンのつばさの折方を参考にした。両面なのをいかして折った。」

作品写真
  • タイトル:「だいやすけA30枚組」
  • 作者:色水 風介

用紙・技法の説明 「単色模様入り15cm正方形を6色5枚ずつで計30枚使用、糊不使用」

作品の説明 「過去に創作した100以上あるユニットの中で一番頑丈であり、自身の作品の中で 最も球体に近い形。出品する2日前に創作したばかり。1枚40秒で折れて簡単な反面、組み難さに長けている。本来ならつけるべき筋をつけないことにより、より柔らかい表現ができた。」

作品写真
  • タイトル:「エボリューションドラゴン」
  • 作者:山下 公平

用紙・技法の説明 「手もみ和紙 50cm×50cm 1枚」

作品の説明 「魚の基本形を元にしました。羽を大きくするために工夫しました。背割れを背中のトゲでカバーしました。顔としっぽが細かくて難しかったです。」

作品写真
  • タイトル:「沐浴」
  • 作者:高橋 志典

用紙・技法の説明 「女性…両面折り紙15センチ四方1枚/密林…両面折り紙24センチ四方1枚/背景と水面…折り紙用紙12.5センチ四方2枚」

作品の説明 「暑中見舞いに、密林で水浴びする女性を描いてみました。」

作品写真
  • タイトル:「Giant Panda」
  • 作者:Madiyar Amerkeshev

作品の説明 「It was folded by me from a single uncut square (40x40 cm) of two-color paper ( a sandwich from black and white Tissue-foil) I did not use any glue for fixing a final shape of this model and I hope it will arrive in a proper condition.」

作品写真
  • タイトル:「クンデオル」
  • 作者:高木 ひろみ

用紙・技法の説明 「18ユニット作品です。使用折り紙:15×15cmの折り紙9枚をカットして使用/単体ユニット:15×7cmの長方形、1か所のり付けしてリング状の構造になっています/組み方:ユニットに折り目をつけて18ユニットをのり付けしながら(24か所)組みます」

作品の説明 「この作品は、ユニットを組んで出来上がりではなく、組んだ後にさらに折り進めて色々な形にして遊ぶことを目的として作成しました。/変形させたサンプルを数個添付しましたが、まだまだ新しい物ができると思います。このユニットを使用して他のユニット作品も作成可能です。」

※各作品の作品説明・コメントについて、応募時に寄せられた文章をコンテスト事務局で一部改変・編集しているところがあります。