第11回JOAS創作折り紙コンテスト結果発表

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過去のコンテスト


コンテストの概要はこちらをご覧ください(第23回コンベンション特設ページ内)。

受賞者

第23回折紙探偵団コンベンション参加者、JOAS評議員による投票(JOAS賞2部門)と、おりがみはうす代表山口真氏による審査(はうす賞)の結果、以下のように決定しました。(敬称略)

JOAS賞 特別テーマ部門:「重量感」

作品写真
「鎖」高橋 志典

JOAS賞 干支部門:「いぬ」

作品写真
「豆助(まめすけ)」鶴田 芳理

おりがみはうす賞(テーマ無し)

該当作無し

受賞者には、記念の楯と副賞「第29期(2018年度)日本折紙学会会員権」が贈られます。おめでとうございます。

JOAS賞エントリー作品と投票結果

投票方法

コンベンション参加者は1人1ポイント。JOAS評議員(今回投票者10名)は1人最大10ポイント(配分可)を投票できます。

JOAS賞 特別テーマ部門「重量感」エントリー10作品

3位までポイントを掲載しています。
作品写真
  • タイトル:「Massive stone」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius(リトアニア)

作品の説明 「For the “Massiveness” theme I decided to design something what is big in comparison with human. My model shows person which is lifting a massive stone above his head. The stone correspondents to massive amount of challenges which we meet in our life, however if we try hard we can beat all of them. Model is designed using box pleating technique and 16 x 16 grid. Interesting thing about model structure is that it is asymmetric, since stone requires much more paper than hand. 」

作品写真
  • タイトル:「油圧ショベル Excavator」
  • 作者:高橋 哲太 / Takahashi Tetta

用紙・技法の説明 「本作品は不切正方形1枚折りで制作しました。使用した紙の種類は和紙とカラペで、アルミホイルをはさんで裏打ちしました。紙の大きさは77センチメートル四方、作品の全長は約25センチメートルです。」

作品の説明 「重機を題材に選んだ理由は、その重厚な佇まいや、土砂などの重量物を持ち上げる様子が、「重量感」というテーマに合致すると感じたからです。なかでも、油圧ショベルの特徴的なアームの形状、非対称な運転席の配置といった要素に、創作意欲がわきました。本作品では、フォルムと配色を両立させるため、紙の表と裏の色の使い分けを工夫しました。なお、(展示中は動かせないと思いますが、)機体の旋回、ドアの開閉、エンジンフードの開閉も再現しました。」

作品写真
  • タイトル:「heavybear(ヘビィーベア)」
  • 作者:澤島 克明 / Sawashima Katsuaki

用紙・技法の説明 「30cm四方カラーペーパー1枚」

作品の説明 「足を太く立体に仕上げるように心がけました。背中が開きすぎないように尻尾の部分を留め折りしています。」

作品写真
  • タイトル:「ツノガエル "Horned Frog"」
  • 作者:野崎 翼 / Nozaki Tsubasa
  • 獲得:60ポイント(一般46/評議員14)(2位)

用紙・技法の説明 「不切正方形1枚折・49センチ角の紙を使用・手漉きの楮紙を2枚正麩粉糊で貼り合わせ、ドーサ液にアクリル絵の具を溶いて染色した (・One uncut 49cm square of kozo paper・l glued together two pieces of kozo paper with Wheat gluten glue and dyed with acrylic paint dissolved in Dosa liquid.)」

作品の説明 「重量感を出すために重量感のあるツノガエルを題材に選びました。ぜひ真正面から顔を覗き込んでみてください。(In order to express massiveness, I selected horned frog, which has massiveness. Look at its face squarely!)」

作品写真
  • タイトル:「ドラコ・ポンドゥス」
  • 作者:井上 岳哉 / Inoue Takaya

用紙・技法の説明 「不切正方形一枚折り 約1メートル四方の紙から」

作品の説明 「重量感をイメージしたドラゴンを、怪獣や恐竜、象などを参考にデザインしました。 一般的なドラゴンのイメージは手足と翼の生えた動物ですが、このドラゴンは自重を支える為に翼にあたる部分が第2の足としての役割を果たすように進化しました。構造はヒダを仕込んだ魚の基本形からで、見た目の割にシンプルです。名前の由来はラテン語の重さと竜を表す単語から来ています。」

作品写真
  • タイトル:「宇宙(そら)」
  • 作者:小野寺 巧 / Onodera Takumi

用紙・技法の説明 「15cm×15cmの正方形クラフト折り紙1枚で製作。正三角形を基本として、そこから6つの星を表現するのに苦労しました。」

作品の説明 「漆黒の夜空に6つの星を描きました。6つの星は、小学校生活6年間の思い出を表しました。」

作品写真
  • タイトル:「鎖」
  • 作者:高橋 志典 / Takahashi Yukinori
  • 獲得:95ポイント(一般50/評議員45)(1位)

用紙・技法の説明 「クラフト紙(50g/m^2)90センチ四方1枚。折り上げ後ラッカー塗装。」

作品の説明 「風船の基本形と魚の基本形を組み合わせ変形させた構造を基に、各部を沈め折りして作りました。」

作品写真
  • タイトル:「シン・パンダ」
  • 作者:小林 勇太 / Kobayashi Yuta
  • 獲得:56ポイント(一般41/評議員15)(3位)

用紙・技法の説明 「パンダ本体:不切正方形一枚折り サイズ115cm×115cm」

作品の説明 「祝!!上野動物園にパンダ誕生!!/シンシンから生を受けた上野のパンダが元気に成長した(しすぎた)姿をイメージしました。/これだけ大きかったら餌も飼育員さんも大変ですが、パンダ自身はあまり気にしていないようです。/とは言え、出来ることならこのままずっと動かずに居座ってくれた方が嬉しいんですけどね。/そこまで成長した姿は見られないって?そんなこと言わないで......」

作品写真
  • タイトル:「氷山(ヒョウザン) "Iceberg"」
  • 作者:尾川 知 / Ogawa Tomo

用紙・技法の説明 「使用した紙の種類: 和紙、大きさ: 約735mm×735mm、不切正方形一枚。 二枚の和紙を貼り合わせてから裁ち落として正方形にしている。そのため継ぎ目が見えている箇所がある。」

作品の説明 「重量感と浮遊感を併せもっているところが面白いと思い、氷山を題材にしました。重量感を表現するポイントとしたのは水面上の氷山と水面下の氷山とのバランスです。展示の工夫として、接地しないかたちで鑑賞できるように水槽に入れました。」

作品写真
  • タイトル:「GF:X 鎧入道」
  • 作者:秋葉 丈彦 / Akiba Takehiko

用紙・技法の説明 「正方形21枚使用の複合作品。サイズは、足元のエフェクト25×25cm、手・肩の火器がそれぞれ13×13cm、残り全て15×15cm」

作品の説明 「複合折り紙であることを最大限生かし、様々な武器を持つロボットをイメージして作りました。テーマである重量感を出すために、使う紙を金属色で統一し、また、着地の衝撃も表現しました。」

殿堂入り”創作家による参考作品(投票対象外)
作品写真
  • タイトル:「重ダンプトラック」
  • 作者:豊村 高志 / Toyomura Takashi

用紙・技法の説明 「最大2.86cm×47.65cm/最小14.3cm×31cm 5枚複合」

作品の説明 「重機の重ダンプトラックです。」

JOAS賞 干支部門「いぬ」エントリー9作品

3位までポイントを掲載しています。
作品写真
  • タイトル:「愛犬シバ」
  • 作者:藤本 幸子 / Fujimoto Sachiko

用紙・技法の説明 「不切24cm正方形1枚

作品の説明 「できるだけ シンプルに愛らしく、15cmの折り紙で折れる作品を目指しています。 今回は犬の口を少し開けて舌を出したのですが…。」

作品写真
  • タイトル:「はねいぬ」
  • 作者:櫻井 亮佑 / Sakurai Ryosuke

用紙・技法の説明 「22.5cm クラフト紙 不切正方形1枚折り」

作品の説明 「羽を生やしたらなんだってかわいくなりますが、最初からかわいい犬に羽を生やしたら最強です。」

作品写真
  • タイトル:「ブサかわDogs」
  • 作者:小林 弘明 / Kobayashi Hiroaki
  • 獲得:84ポイント(一般63/評議員21)(2位)

用紙・技法の説明 「ブルドッグ:正方形3枚使用複合作品(顔、前半身、後半身)/フレンチブルドッグ:正方形3枚使用複合作品(顔、前半身、後半身)/ボストンテリア:正方形3枚使用複合作品(顔、前半身、後半身)/パグ:正方形2枚使用複合作品(顔、身体)」

作品の説明 「自分の好きな、ちょっとブサイクだけどかわいい犬たちを題材にしました。顔の表情や身体の特徴をうまく表現したかったので、手法としては一枚折りにこだわらず、複合作品としてそれぞれの犬を創作しました。」

作品写真
  • タイトル:「セントハウンド」
  • 作者:河本 泰岳 / Kawamoto Yasutake

用紙・技法の説明 「因州染め楮紙 40cm不切正方形一枚折り 臀部及び腹部に針金仕込み 木工用ボンド使用」

作品の説明 「フォックスハウンドを参考にしながら創作した。耳の折り出し手順が気に入ってるが、今のところ頭部以外折り手順考えてない。」

作品写真
  • タイトル:「豆助(まめすけ)」
  • 作者:鶴田 芳理 / Tsuruta Yoshimasa
  • 獲得:90ポイント(一般58/評議員32)(1位)

用紙・技法の説明 「52cm×52cm 風呂敷:15cm×15cm」

作品の説明 「あんなに小さかったのに、今ではすっかり大きくなってお遣いにいく程お利口な、柴犬の豆助を表現しました。実際に犬を見るときの視点は上からが多いことと、机が低いこの展示室を想定して、斜め上からの鑑賞を前提とした上目遣いに拘っています。」

作品写真
  • タイトル:「ぐうたらパグ」
  • 作者:関根 武 / Sekine Takeshi
  • 獲得:54ポイント(一般34/評議員20)(3位)

用紙・技法の説明 「カラペと新だん紙を貼り合わせた35cm四方の用紙を使用。不切正方形一枚折り。」

作品の説明 「パグという名前の由来は諸説あります。その1つに、中国語の「覇歌(いびきをかいて寝る王様)」から来ている、というものがあるそうです。 /威厳があるようでないようなその名の由来の通り、何処となく気だるそうで愛くるしい姿を表現しました。」

作品写真
  • タイトル:「ある風景」
  • 作者:高橋 志典 / Takahashi Yukinori

用紙・技法の説明 「犬…和紙20センチ四方1枚。/街灯…4枚複合全て折り紙用紙。11.8センチ四方1枚、6.5センチ四方1枚、6.5×5.25平方センチ1枚、11.8×5.25平方センチ1枚。/レンガ…エンボス紙2.5センチ四方28枚、同2.5×1.25平方センチ12枚。/看板…折り紙用紙5.8センチ四方1枚。」

作品の説明 「公園を散歩中の犬です。台はペット用の深皿を使いました。」

作品写真
  • タイトル:「フレンチブルドッグ」
  • 作者:亀井 浩平 / Kamei Kohei

用紙・技法の説明 「他作品で用いた顔のパターンをアレンジしていたところ、ブルドッグ系の顔に見えたため、そのまま身体をつけてみました。紙が足りない部分が良い感じに体色のツートンカラーになったと思います。」

作品の説明 「フレンチブルドッグかボストンテリアかピットブルか・・・?「なんとなくブルドッグ系にする」といった作り方をしたため、創作してから犬種を特定するという順序に。「ジョン・ウィック」という映画に出ていたピットブルがかっこよかったのでそうしたかったのですが、身体がいくらか華奢だったため、総合的な特徴からフレンチブルドッグと相成りました。」

作品写真
  • タイトル:「土佐犬」
  • 作者:原 宏篤 / Hara Hiroto

用紙・技法の説明 「教育おりがみ 240mm×240mm1枚 正方形」

作品の説明 「少しがっしりとしているけれど、顔などはどろんとしたものを作りたかったです。化粧回しは、花みたいなものをのせました。」

殿堂入り”創作家による参考作品(投票対象外)
作品写真
  • タイトル:「柴犬」
  • 作者:豊村 高志 / Toyomura Takashi

用紙・技法の説明 「54.3cm×54.3cm」

作品の説明 「正面から見るのが一番かわいい。」

特別参考作品(投票対象外)
作品写真
  • タイトル:「横綱」
  • 作者:神谷 哲史 / Kamiya Satoshi

用紙・技法の説明 「約85×85cmの揉み紙に一部裏打ちしています。 」

作品の説明 「今回のコンテストにはどのような作品が寄せられるのだろうか?」と予想していた時に思いついた土佐犬が、とても面白そうな題材だったため、実際に折ってみたのが創作のきっかけです。再現性や手順化はあまり考えず、思いついたアイディアをそのまま形にしています。/なお、化粧まわしを折り出すというアイディアは、尾川知さんの即興作品を参考にさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。」

(編注:神谷さんによる特別寄稿も併せてご覧ください)

おりがみはうす賞エントリー作品

審査方法

おりがみはうす代表の山口真氏が審査し該当作が選出されます。(テーマ無し)

おりがみはうす賞エントリー8作品

作品写真
  • タイトル:「もぐら」
  • 作者:櫻井 亮佑 / Sakurai Ryosuke

用紙・技法の説明 「15cm雲竜紙 不切正方形1枚折り」

作品の説明 「先例が多くない動物を考えたときに思い浮かんだのがもぐらでした。爪のための仕込み折りをしたあとに、風車の基本形を折ります。地面から顔を出している様子を表現したので、後ろ脚は省略しています。」

作品写真
  • タイトル:「Phoenix」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius(リトアニア)

用紙・技法の説明 「made from 13 grams washi 80 by 80 cm 1 paper no cut」

作品の説明 「Phoenix model is designed during my master degree studies in China where I saw many images of phoenix. Design is based on 20 x 20 diagonal grid. The aim was to make a model which is in between simple and complex, so that many different kind of papers could be used. Special feature of the phoenix is that it can stand on its tail to look like rising from ashes or flying away. This detail makes model livelier.」

作品写真作品写真
  • タイトル:「横から見るお城」
  • 作者:高木 ひろみ / Takagi Hiromi

用紙・技法の説明 「市販の折り紙 立体 24×24cm  平面 15×15cm/立体作品は糊付け有りです。 」

作品の説明 「立体作品は、上から見ると、屋根に穴が空いていますので、横から見てください。屋根の色とお城の内側の色が同じですので、穴が塞がっているように見えます。平面作品もできます。/折り方は、表の折り紙の縦の長さの1/6で、底辺に平行に谷折します。/さらに残りの5/6を二等分するように山折します。表の色が屋根を表し、裏の色が壁を表します。/左右を伝承の「お家」のように折ります。屋根の高さを変えたり、壁の凸凹をつけたり、屋根の勾配をつけたりします。最後に左右の端と端を合わさせて糊付けします。/立体だけでなく平面でも楽しむ事ができます。平面作品は、青色と黄緑色のお城を立体にする前の物です。」

作品写真
  • タイトル:「ドラゴン」
  • 作者:小野寺 巧 / Onodera Takumi

用紙・技法の説明 「33cm×33cmのクラフト折り紙で製作。/32分割の線を入れてから形作りをしました。」

作品の説明 「ウロコを表現した尻尾にこだわりました。」

作品写真
  • タイトル:「らいとすけC12枚組」
  • 作者:色水 風介 / Iromizu Fusuke

用紙・技法の説明 「表がストライプ模様、裏が無地単色の15cm折り紙を4色調3枚ずつ計12枚使用。/完成の約8割が裏面を占めるため、裏が有色の紙を用いた。/30枚も組めるが、Vの字となるユニットの角度が非常に鋭角になり、折角のユニットのデザインが見えにくくなってしまうため12枚で構成した。/とても組みにくい。 」

作品の説明 「ユニットの組む部分に大きな段差があるのが特徴的。/作品名の由来は自身の作品「さんだすけ」にどことなく似ていることから雷の類義語「稲妻」より、英訳して「lightning」の発音から。」

作品写真
  • タイトル:「手裏剣」
  • 作者:松下 翔斗 / Matsushita Shoto

用紙・技法の説明 「1枚・15cm×15cm」

作品の説明 「左右対称になるように工夫しました。」

作品写真
  • タイトル:「土佐の跳ねうさぎ」
  • 作者:山根 秀之 / Yamane Hideyuki

用紙・技法の説明 「今までにないうさぎの形はできないかな。と既存の物を変形させました。100均のおりがみの15cm×15cmです。」

作品の説明 「おりがみ歴1〜2年くらいで、知り合いの女の子向けにかわいい物を折ってあげています。オリジナルはうさぎを作っています。この跳ねうさぎは、あれこれいじくって偶然できたものです。その割りには、非常にかわいく出来てます。女の子にも好評です。」

作品写真
  • タイトル:「KUSUDAMA FLOWER BALL (40 PCS)」
  • 作者:BOO HWI CHIEN(シンガポール)

用紙・技法の説明 「11.7CMX11.7CM 40PCS (VARIETY COLOUR PAPER WITH 2 TONE COLOUR IN 1 SHEET OF COLOUR PAPER)」

作品の説明 「IT'S SIMPLE KUSUDAMA FLOWER BALL, 40 PCS UNIT FLOWER ARE SEWING TOGETHER TO BECOME A KUSUDAMA FLOWER BALL.」

※各作品の作品説明・コメントについて、応募時に寄せられた文章をコンテスト事務局で一部改変・編集しているところがあります。