第12回JOAS創作折り紙コンテスト結果発表

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過去のコンテスト


コンテストの概要はこちらをご覧ください(第24回コンベンション特設ページ内)。

受賞者

第24回折紙探偵団コンベンション参加者、JOAS評議員による投票(JOAS賞2部門)と、おりがみはうす代表山口真氏による審査(はうす賞)の結果、以下のように決定しました。(敬称略)

JOAS賞 特別テーマ部門:「風」

作品写真
「風神」北西 一貴

JOAS賞 干支部門:「いのしし」

作品写真
「うり坊」小林 弘明

おりがみはうす賞(テーマ無し)

作品写真
「陸ガメ(アラウンドビューバージョン)」今津 清治

受賞者には、記念の楯と副賞「第30期(2019年度)日本折紙学会会員権」が贈られます。おめでとうございます。

JOAS賞エントリー作品と投票結果

投票方法

コンベンション参加者は1人1ポイント。JOAS評議員(今回投票者7名)は1人最大10ポイント(配分可)を投票できます。

JOAS賞 特別テーマ部門「風」エントリー7作品

3位までポイントを掲載しています。
作品写真
  • タイトル:「折りたたみ傘」
  • 作者:高橋 哲太 / Takahashi Tetta
  • 獲得:50ポイント(一般40/評議員10)(2位)

用紙・技法の説明「不切正方形1枚折り ホイル紙 70cm×70cm」

作品の説明 「一枚の正方形を折りたたんだ傘です 軽量なため風が大きく影響するようです…」

作品写真
  • タイトル:「風を受けて」
  • 作者:関根 武 / Sekine Takeshi

用紙・技法の説明「不切正方形一枚折り、対角48等分蛇腹」

作品の説明 「「風」という現象を可視化するにあたって、風そのものを描いたり、それの発生源を描くなど、手段は数多くあるかと思います。私はその中でも、風を受ける何かを描き、風を間接的に描く手段を選びました。布を纏う女性像を制作しましたが、造形するにあたりLuo Li Rong氏の彫刻作品を参考にしました。」

作品写真
作品写真
  • タイトル:「旅客機」
  • 作者:南島 和英 / Minamijima Kazuhide
  • 獲得:35ポイント(一般21/評議員14)(3位)

用紙・技法の説明 「用紙形状が特殊なため、文章での説明は省略。作品に同封した展開図で説明の代わりとします。」

作品の説明 「縦横比1:√2の長方形格子を使った「白銀比格子系」を活かし、通常の角度系では出せない優美なシルエットの翼を作っています。また、どこから鑑賞しても破たんのない造形を意識しています。とくに、私たちが普段見上げることの多い腹側からの視線を大切にして作りました。」

作品写真
  • タイトル:「Wind Power Plant」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius(リトアニア)

作品の説明 「For wind competition theme I decided to design a simple wind power plant model. This model represents my passion for origami paper art and my major electrical engineering. To design the model I used box pleating structure and wet folding technique.」

作品写真
  • タイトル:「風神」
  • 作者:北西 一貴 / Kitanishi Kazuki
  • 獲得:164ポイント(一般136/評議員28)(1位)

用紙・技法の説明 「使用した紙の種類:障子紙 大きさ:1.7m x 1.7m/用紙形:正方形不切一枚折り」

作品の説明 「手に持った風袋から風を吹き出し、下界に風雨をもたらす風の神。『日本書紀』ではイザナミが朝霧を吹き払った息から生まれたと記述されています。」

作品写真
  • タイトル:「フキナガシフウチョウ」
  • 作者:横前 俊也 / Yokomae Shunya

用紙・技法の説明 「tカラペ・チャコール 63.6cm不切正方形1枚 96等分蛇腹」

作品の説明 「ニューギニア島の風土に生息する風鳥。雄には吹き流し風の風格ある飾り羽があります。正方形一枚で折る風潮のない風変わりな風貌ですが、あえてこの逆風に挑み、吹き流しが風になびく風雅な風景を表現しました。」

作品写真
  • タイトル:「Ego Wind Vane」
  • 作者:Isaac Cheng(香港)

作品の説明 「Most Wind Vane are having a cock on the middle, but this time the model is having an Ego instead which about to fly. Wind Vane is to point out the wind direction for us to look at, the model represent Wind Vane, also having the meaning of fly with the wind. This model is designed and folded by a brown squared textured paper.」

殿堂入り”創作家による参考作品(投票対象外)
作品写真
  • タイトル:「アコーディオン」
  • 作者:豊村 高志 / Toyomura Takashi

用紙・技法の説明 「本体35cm×35cm 台座19.45cm×19.45cm」

作品の説明 「手風琴です。完成後に塗装しました。」

JOAS賞 干支部門「いのしし」エントリー13作品

3位までポイントを掲載しています。
作品写真
  • タイトル:「授乳」
  • 作者:高橋 志典 / Takahashi Yukinori

用紙・技法の説明 「猪の親子…金和紙(麻繊維の入った和紙)64センチ四方1枚。22.5度角で座布団折りした豚(伝承)の基本形を母体とし、これに子供の領域を拡張して製作。/ 台座…ローマストーン35センチ四方1枚。段折りしてから,猪の親子に合うように立体化。」

作品の説明 「授乳中の猪。」

作品写真
  • タイトル:「Wild Boar」
  • 作者:Isaac Cheng(香港)

作品の説明 「This model is folded with a brown squared textured paper, the model is fierce with its 2 iconic big boar teeth, but cute with its big fat body and short lags. This model was designed mainly from a waterbomb base.」

作品写真
  • タイトル:「 亥神 Inokami」
  • 作者:亀井 浩平 / Kamei Kohei
  • 獲得:47ポイント(一般36/評議員11)(3位)

用紙・技法の説明 「以前創作した別のイノシシ作品をもとに、顔部分に領域を追加。牙や特徴的な鼻先を作り出しました。背中の表現はいろいろ検討しましたが、「これしかない」とあの超有名作品へのオマージュです。なんとか差別化をはかるべく、トゲ状に少しズラしたり帯状の折り目を入れたりしてワイルドな感じに。背中から発生するヒダを胸元やヒヅメの表現に取り込み、ディティールアップに活用しました。」

作品の説明 「幼獣が12年の刻を経て成長し、神性を得たイメージで製作しました。干支の最後を受け持つものとして、世の災害を防ぎ、人に心の平安をもたらして次の周回へとタスキをつなぎます。」

作品写真
  • タイトル:「うり坊兄弟」
  • 作者:境 洋次郎 / Sakai Yojiro

用紙・技法の説明 「それぞれ不切正方形一枚折り30cm×30cm(和紙、tカラペ、クラフト紙、緩衝紙?)使用」

作品の説明 「カエルの基本形を用い内部カドで頭を作りました。顔や縞は少しデフォルメし折り紙的な表現を心がけました。縞の表現に苦労しました。作った紙が厚すぎて動きを出せなかったのが悔やまれます。」

作品写真
  • タイトル:「イノシシ」
  • 作者:西能 新 / Saino Arata

用紙・技法の説明 「30cm×30cmの折り紙1枚」

作品の説明 「ブタっぽいしっぽにした」

作品写真
  • タイトル:「うり坊」
  • 作者:小林 弘明 / Kobayashi Hiroaki
  • 獲得:75ポイント(一般55/評議員20)(1位)

用紙・技法の説明 「不切正方形(10.5㎝×10.5㎝)8枚使用」

作品の説明 「以下の創作方針で作りました。(1)かわいらしいデザインにする。(2)鼻、目、蹄、縞模様を、身体と色を変えて表現する。(3)(1)(2)を満たし、複雑な構造・見た目の煩雑さを避けるため、複合作品として創作する。」

作品写真
  • タイトル:「枯猪悠然(コチョユウゼン) 」
  • 作者:岡原 幸矢 / Okahara Sachiya

用紙・技法の説明 「ゴボウの繊維をすきこんだ和紙を使用。45cm四方の不切正方形一枚折り。」

作品の説明 「今は生産中止となった紙を使用しました。ゴボウの繊維から出る土や植物の質感がイノシシというモチーフにマッチし、年老いた獣の貫禄が出せたと思います。牙と副蹄も無理なく折り出せて満足です。スケッチをしてから作品を創作することは初めてでした。骨格を意識することの重要さを痛感しました。」

作品写真
  • タイトル:「イノシシ」
  • 作者:加茂 弘郎 / Kamo Hiroo

用紙・技法の説明 「35×35cm1枚」

作品の説明 「随分以前に創作した作品ですが、長らく出番がなく、亥歳を迎えるのを機会に手を加えました。紙選びに苦労した末に厚手の用紙を使用した関係で少々大きめのイノシシとなりました。

作品写真
  • タイトル:「猪 -boar-」
  • 作者:中村 康佑 / Nakamura Kosuke
  • 獲得:55ポイント(一般47/評議員8)(2位)

用紙・技法の説明 「雲竜紙張り合わせ60cm四方から一枚折り。」

作品の説明 「インサイドアウトと立体感を重視して折りました。背中と顎まわりのたてがみがチャームポイントです。」

作品写真
  • タイトル:「Erymanthian Boar」
  • 作者:峯尾 彰太朗 / Mineo Shotaro

用紙・技法の説明 「108cm四方の正方形より不切一枚折り。22.5度系作品。人物と猪の二体一枚折り。」

作品の説明 「ギリシア神話における英雄ヘーラクレースが果たした十二の功業のうちの一つ、「エリュマントスの猪」の一場面です。英雄ヘーラクレースと人食いの怪物との緊迫した空気と躍動感を表現するのに苦心しました。彫刻のような質感を目指し、一風変わった塗装をしてみました。」

作品写真
  • タイトル:「猪」
  • 作者:今津 清治 / Imazu Kiyoharu

用紙・技法の説明 「頭部1枚 胴体1枚の複合です。頭部、胴体とも、基本構造は40等分蛇腹折です。紙はビオトープGA-FSを使用。/大猪:頭部 40cm不切正方形 1枚  胴体 45cm不切正方形 1枚/ 小猪:頭部 35cm不切正方形 1枚  胴体 40cm不切正方形 1枚 この作品は、接着剤有りきの作品です。」

作品の説明 「猪の特徴である、ブタっ鼻、きれいな鼻筋、つぶらな目、牙を表現できたらと思い作品を作りました。正面から見たときに、すべての特徴がでていて、結構気にいっています。40等分蛇腹構造ですが、そのまま折ると、マス目模様が目立ち角ばった見た目になるので、目に見える部分のみ80等分にして丸みを出しています。胴体の方も頭部と同じ紙の大きさで折ろうと試行錯誤しましたが、どうしても頭部が大きくなってバランスが悪かったので、胴体はちょっと大き目な紙で折っています。頭部と胴体は接着剤で固定しています。」

作品写真
  • タイトル:「Wild Boar」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius(リトアニア)

作品の説明 「My wild boar model is designed using 22.5 degrees structure. When I was creating the model most attention was paid to the representative back and 3D feeling. The model was folded using wet folding technique.」

作品写真
  • タイトル:「Wild Boar」
  • 作者:霞 誠志 / Kasumi Seishi

用紙・技法の説明 「不切正方形一枚折り、基本構造は縦方向34等分(一部68等分)になっています。」

作品の説明 「線と面を使った造形を60度蛇腹構造作品として纏めました。」

殿堂入り”創作家による参考作品(投票対象外)
作品写真
  • タイトル:「猪」
  • 作者:豊村 高志 / Toyomura Takashi

用紙・技法の説明 「色画用紙60cm×60cm」

作品の説明 「22.5度を重視しました。完成後に全面塗装。」

おりがみはうす賞エントリー作品

審査方法

おりがみはうす代表の山口真氏が審査し該当作が選出されます。(テーマ無し)

おりがみはうす賞エントリー8作品

作品写真
  • タイトル:「ドラゴン」
  • 作者:西能 新 / Saino Arata

用紙・技法の説明 「30cm×30cmの折り紙2枚」

作品の説明 「できれば1枚で折りたかった」

作品写真
  • タイトル:「リヴァイアサン」
  • 作者:酒井 優樹 / Sakai Yuki

用紙・技法の説明 「66.6cm四方の雲龍紙 不切正方形1枚 一部ホイルで裏打ち」

作品の説明 「初の創作作品 神話に登場する架空の生物です。鱗の折りこみと不切正方形1枚にこだわりました。」

作品写真
  • タイトル:「Seraph the Angel 」
  • 作者:Isaac Cheng(香港)

作品の説明 「This model was designed according to the descriptions of the angel Seraph form the Bible in the Book of Isaiah (Isaiah 6:1-8). The angel is six-winged with two they covered their faces, and with two they covered their feet. The model is designed and folded with a 1:2 rectangle sheet blue Pearl paper, Although Seraph represent fire, blue is used as to represent the loyalty of angel and Isaiah to God in the story.」

作品写真
  • タイトル:「陸ガメ(アラウンドビューバージョン)」
  • 作者:今津 清治 / Imazu Kiyoharu

用紙・技法の説明 「不切正方形 1枚 68cm四方 使用した紙はビオトープGA-FS 68等分蛇腹折ベース/ カメの首、足は針金で成形。甲羅の内部はティッシュペーパーをつめてしぼまないようにしています。」

作品の説明 「亀といえば「亀甲模様」なので、その模様を表現した作品が多いと思います。ですが、爬虫類顔、丸みを帯びた甲羅、太い脚を表現した作品は少ない気がします。そこで、独特なフォルムを持っている「陸ガメ」の試作をしました。何体も試作して、全方位鑑賞に堪えうる満足な作品が出来たので応募しました。/ 作品のセールスポイント 1.丸い甲羅の表現:甲羅の上部を蛇腹にして(紙をだぶらせて)、膨らませただけの構造ですが、結構立体感のある丸い甲羅に見えると思います。 2.顔の造形:蛇のような恐竜のような頭部。目の大きさを変えられる&口の開き具合も変えられるので、表情を変えられる。 3.太いくて長い脚&爪 4.アラウンドビュー:全ての方向から鑑賞できる!!! 5.甲羅ジャケット:亀甲模様の服を別に作って、甲羅にかぶせることによって、より亀っぽくなります。亀甲模様の折りを組み込もうとチャレンジしましたが、工程が多くなりすぎ、紙の厚さに負けて断念しました。」

山口真氏 評「甲羅が別になっている点がおもしろかった。」

作品写真
  • タイトル:「えーぜっと1A30枚組」
  • 作者:色水 風介 / Iromizu Fusuke

用紙・技法の説明 「単色模様入り15cm正方形を1色30枚使用、糊不使用 」

作品の説明 「非常に組みにくく没にしようか迷っていたが、コツを掴めば組めて強度も保てる為、作品として成立。ユニット名は「(自身が創作したものだから他人にはその存在自体)知られていない」を意味するUnknownからUnknown→あんのうん→暗の雲,闇の雲→被る雲を削って暗闇(くらやみ)→音読みで暗闇(あんあん)→「あ」と「ん」は平仮名の最初と最後に該当、これをアルファベットに置き換えて→AZAZ→アルファベットそのまま読み「えーぜっとえーぜっと」→2回繰り返すと長いので省略し「えーぜっと」から。」

作品写真
  • タイトル:「ヴェロキラプトル」
  • 作者:平野 裕大 / Hirano Yuto

用紙・技法の説明 「使用した紙は雲竜紙、大きさは30cm×30cm。枚数は1枚で折りました。折る前にCMCを使用しました。」

作品の説明 「歯や目などの細かい部分を頑張りました。もう少し前足を長くしたかったけれど、爪を折るために短くしました。川畑文昭さんのT-Rexの歯の折り方や、神谷哲史さんのディノニクス3.4などを参考にして折りました。」

作品写真
  • タイトル:「Little Bird」
  • 作者:Mindaugas Cesnavicius(リトアニア)

作品の説明 「This year for any origami model competition theme I present my little bird design. The model is relatively simple with some 3D details. I wanted to make a bird model which could look nice standing and could be folded using wet folding technique.」

作品写真
  • タイトル:「KBローズ(KAZAGURUMA Based ROSE) 」
  • 作者:田中 幹人 / Tanaka Mikito

用紙・技法の説明 「伝承の風ぐるまの構造を利用。 紙はキャンソンヴィヴァルディを使用 約24cm四方、不切/ 葉っぱ 鶴の基本形から 川崎敏和氏の葉っぱ作品形状を参考にした」

作品の説明 「川崎ローズ、佐藤ローズ、山口真氏によるマコトローズなど、いろいろな作家・愛好家の方々が独自のバラを創作されています。そういった中で私もオリジナルのバラを創りたいと想い続けました。何度も挑戦し何度も失敗し、そして、このバラが完成しました。完成としましたが、まだ可能性はあると考えており、これからも少しずつ自分らしいバラが見つかればいいなと考えております。」

※各作品の作品説明・コメントについて、応募時に寄せられた文章をコンテスト事務局で一部改変・編集しているところがあります。