2010年10月に名古屋で「生物多様性条約」(*1)の第10回締約国会議(COP10といいます)が開かれます。この会議のロゴデザイン(*2)に折り紙が採用されました。ロゴデザインに折り紙が採用された背景には、日本文化の象徴として、また折り紙の動物などの作品の多彩さ、親しみ易さなどがあります。
一方で、COP10開催に向け人々の「生物多様性条約」への関心を促すために、様々な団体の支援や周辺活動が行われています。そのひとつとして、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)による「想いでつなごう!COP10おりがみプロジェクト」(*3)があります。これは、上記のロゴデザインのコンセプトを発展させ、“おりがみを折り、 地球のことを考え、いのちのつながりを考えるための時間を持つという「共体験」を通じて、2010年(今)を生きる私たちひとりひとりの言葉で「10年後の未来」を考え、未来にむけたメッセージを集めていく”というものです。日本折紙学会では、このプロジェクトへご協力することにいたしました。具体的な活動は今後、この掲示板等でお知らせいたします。
西川誠司
*1)「生物多様性条約」について
1992年6月、地球規模の環境問題を話し合うために、リオデジャネイロで「地球サミット」(国連環境開発会議)が開催されました。この、地球サミットでは、特に2つの条約が採択されて話題を集めました。ひとつは、「生物多様性条約」であり、もうひとつは「気候変動枠組条約」です。「気候変動枠組条約」は、京都議定書で有名な温暖化ガスの各国の排出制限を巡るもので、「生物多様性条約」は地球上の多様な生物を生息環境とともに保全することが目的に掲げられ、生物資源の持続可能な方法での利用や遺伝資源の利用を公正かつ衡平に配分することなどに関する条約です。
*2)ロゴの折り紙作品について
このロゴの折り紙は当初、実際の作品は無く、折り紙らしいデザインが先に有ったものですが、このデザインに合わせて本当の折り紙作品の創作をおりがみはうすが手がけました。
*3)本プロジェクト詳細は http://www.cop10-origami.com/service/ をご覧下さい。