折り紙の科学・数学・教育研究集会

折り紙の研究は、歴史、数学、工学、計算機科学、教育などの分野と結びついて、学際的な(学問の分野を越えた)広がりを持っています。日本折紙学会では、広く各分野の研究者と連携し、定期的に研究集会を開催しています。

研究集会の成果は、機関誌『折紙探偵団マガジン』の記事、会員特別配付資料論文集『折り紙の科学』に反映されます。

「折り紙の科学・数学・教育研究集会」という長い名前は、1989年に物理学者・故藤田文章氏の提案により始まり、2018年までに不定期に合計7回行われた国際会議の名称にちなんでいます(同会議は、第3回以降「The International Meeting of Origami Science, Math, and Education」(折り紙の科学・数学・教育国際会議)という名称となっています)。 なお、ここでの「科学」は自然科学に限られるものではなく、歴史研究などの人文科学研究も含まれています。


第31回折り紙の科学・数学・教育研究集会

日程
2021年12月11日(土)10:00-17:00
申し込み方法
Passmarketによるオンラインチケット販売(コンビニ決済含む)となります。
URLなどはあらためて連絡します。
参加資格
とくにありません。
参加費
1000円
プラットフォーム
Zoomを用います。参加者希望者は、各自ZOOMの環境をご用意ください。
主催
日本折紙学会

申し込み

Passmarketよりチケットをご購入下さい。

プログラム

10:00-10:10会の進めかたなど

10:10-10:40

定数回の展開と折りの繰り返しによる,多面体間の遷移可能性の研究
鎌田斗南、Erik D. Demaine,Martin L. Demaine,Yevhenii Diomidov,上原隆平,Hanyu Alice Zhang
2つの多面体が再折り可能であるとは、一方の多面体を展開し、得られた多角形を折って周を張り合わせることで他方の多面体が得られることを指す。本発表では、再折りを繰り返し用いることによる、多面体の間の遷移可能性について、最近得られた結果を紹介する.特に,任意の正多面体が互いに定数回の再折りで遷移可能であることを示し、正多面体の間で展開図の性質にどのような共通性があるかについて考察する。
10:40-11:10折り紙押出成形における標準的な立体ガジェットの幾何学的構成について
土井護
折り紙押出成形において、2つの単純プリーツを用いて平らな外縁部に平行な1つの面、および1つの稜を共有する2つの側面を作り出す立体ガジェットを考える。このような立体ガジェットの展開図は「分割点」の選び方により区別される。特に、外見が同じ正の立体ガジェットを与えるような分割点の選び方は無限通りある。本発表では、正と負両方の立体ガジェットを一意的に与えるような「標準的な」分割点の作図方法について述べる。
11:10-11:25弾性曲線ドーム(Elastica Curve Frame Dome)
宮本好信
弾性線材に曲げ変形にあたえてできる弾性曲線をもとに枠組みを構成し、簡便な小型ドームの実用的構法を提案する。弾性曲線(Elastica)を母線とする回転体を自律的に形成する構法であり、平坦状態で仮組みして起立状態に変態する折紙的な建て方が可能である。ホームセンターで常時在庫している塩ビ管と副資材で直径1.8mのドームを試作し、避難所などでの自立間仕切り枠に応用可能であることを確認した。
11:25-11:55ワークショップ:A4規格用紙と折紙用紙のサイズ特性を利用した作品の提案
川村みゆき
国内で手に入り易いA4コピー用紙と折紙用紙を使って、新しい複合作品の可能性を提案する。実際に紙を使って作品を制作するワークショップ形式の発表です。A4用紙と15cmの折紙用紙をそれぞれ2~3枚と、ハサミをご用意ください。折紙用紙は千代紙などの綺麗なものがあると良いです。
12:00-13:00 昼休み
13:00-13:154次元折り紙からのアプローチ:二重多面体の展開図
奈良知惠
正方形の折り紙を、4頂点が中心に集まるように折り、出会う辺同士を接着すると、正方形2枚が重なったものとなり、これを正方形の二面体と呼びます。逆に、この二面体の1枚の正方形だけに2本の対角線による切り込みを入れて展開すると、元の正方形の折り紙に戻ります。このような逆操作を、二重立方体で考えると、ひし形12面体ができること、さらにいくつかの例について、4次元折り紙を用いて説明します。
13:15-13:25「折り紙の科学を基盤とするアート・数理および折紙工学への応用Ⅱ」(12/2-12/3)」報告
奈良知惠
13:25-13:45保存系の合成による回転対称な折紙曲面
今田凜輝、舘知宏
前回の発表で、円筒waterbomb tessellationによる波状曲面は、その挙動を支配する2次元離散力学系が持つ準周期解により生成されると述べた。その後の研究で、waterbomb tessellationに限らない多くの円筒折紙テセレーションが波状曲面になり得ることが判明した。本発表では、円筒waterbomb tessellationが3球の交差の繰り返しで書けるという事実に着目し、3球の交差による力学系の数理と、その合成で書ける折紙曲面について述べる。
13:45-14:15カブトムシの角をつくる折り畳みパターン
松田佳祐
カブトムシの特徴である大きな角は幼虫にはなく、蛹になる際に突然出現する。この変身を可能にしているのが、幼虫の頭にある角原基である。角原基は複雑に折り畳まれた細胞シートの袋で、脱皮の際に膨らみ角になる。私たちはこれまでに、蛹の角への変形と折り畳みパターンの関係性などを明らかにしてきたが、本発表では、これらの結果を折紙研究の皆様と共有し、新たな視点をいただければと思っています。
14:14:15-14:30休憩
14:30-14:50Multi-stable structures induced by pneumatically inflated pouches with laid-in paper pattern
Yiwei Zhang, Tomohiro Tachi
We study the behaviors of multi-stable inflatable surface structures. The structure is made from two layers of film that fuse together to make pneumatic pouches. We will explain a fabrication technique using a cutting plotter and heating iron to apply various geometric patterns inspired by origami. We show how the inflation of pouches together with paper inside induce multi-stability by comparing it with prestressed membranes.
14:50-15:10平坦折り可能な展開図と三角形のねじり折りの関係
山本陽平、三谷純
第30回研究集会の山本の報告により、「あじさい折り」は,折り線同士の重複を含む三角形のねじり折りの連結であることが示された。この考え方を拡張することで、ツルの基本形のような平坦折り可能な展開図も、三角形のねじり折りの連結であると見なす方法を発見したため報告する。また、これまで報告した三角形のねじり折りの作図方法を用いて、平坦折り可能な展開図を変形することで得られる知見を報告する。
15:10-15:30平織りとOrigami Tessellationの発展の歴史
山本陽平、三谷純
平織りとは、海外の愛好家が多いOrigami Tessellationと呼ばれる折り紙作品を指す。1970年代に桃谷や藤本が提案したねじり折りと呼ばれるパターンが、その源流とされている。本報告では,日本で発祥したねじり折りが,Origami Tessellationとして発展した経緯を調査したため報告する。一方で、調査に用いた資料は、Webや一部の書籍に限定されているため、この場を借りて、専門家や当時の事情を知る方から、是非ご意見をいただきたい.
15:30-15:50放射状のスリットパターンを用いたコンプライアントな折りヒンジ構造
イ・ムンギュン、舘知宏
折紙構造の折り目に幅をもたせスリットパターンを設けると、材料の弾性範囲で折り変形を実現できる。しかしこの方法はパネル間の回転中心が保持されなくなり複数の折線の変形動作が適合しない、機構に遊びが生じるなどの問題が生まれる。本研究ではスリットを放射状に配列しピンジョイントを構成し、さらにそのピンジョイントを一直線上に並べることで、回転中心が保持されるコンプライアントな折りヒンジを提案する。
15:50-17:00飛び入り発表など

研究集会の各回の情報