折り紙の科学・数学・教育研究集会

折り紙の研究は、歴史、数学、工学、計算機科学、教育などの分野と結びついて、学際的な(学問の分野を越えた)広がりを持っています。日本折紙学会では、広く各分野の研究者と連携し、定期的に研究集会を開催しています。

研究集会の成果は、機関誌『折紙探偵団マガジン』の記事、会員特別配付資料論文集『折り紙の科学』に反映されます。

「折り紙の科学・数学・教育研究集会」という長い名前は、1989年に物理学者・故藤田文章氏の提案により始まり、2018年までに不定期に合計7回行われた国際会議の名称にちなんでいます(同会議は、第3回以降「The International Meeting of Origami Science, Math, and Education」(折り紙の科学・数学・教育国際会議)という名称となっています)。 なお、ここでの「科学」は自然科学に限られるものではなく、歴史研究などの人文科学研究も含まれています。


第33回折り紙の科学・数学・教育研究集会

日程
2022年12月24日(土)10:00-17:00
申し込み方法
Passmarketでチケットをご購入下さい。
クレジットカード、コンビニ決済がご利用いただけます。
URLは後日連絡します。
参加資格
とくにありません。
参加費
一般参加:1000円
グループ参加(ひとつの端末を二人以上で使用):2000円
プラットフォーム
Zoomを用います。参加者希望者は、各自ZOOMの環境をご用意ください。
主催
日本折紙学会

申し込み

Passmarketよりチケットをご購入下さい。


プログラム

12/12 プログラムを公開しました。

10:00-10:05会の進め方など

10:05-10:25

単純折りモデルによる一刀切りの最適手順 上原隆平
紙をうまく折って狙った形を切り抜く問題を一刀切り問題という。どんな折りを使ってもよければ、どんな形でも切り抜けるという万能定理が知られている。また、単純折りモデルという折りを制限したときに切り抜ける形についても特徴づけが知られている。本研究では、この単純折りモデルにおける一刀切り問題で、折り操作の回数の最小化問題を考える。そしてある種の条件を満たせば、最適解を多項式時間で求められることを示す。
10:25-10:55図形認知を視点とした折り紙教材の授業研究 烏山凌輔
折り紙を授業に取り入れることが、生徒の思考水準向上を助けるのではないかと考えた。そこで、問題と合同な図形を折り紙で折るという教材を開発し、授業を実践・分析した。田中敏隆の図形認知の発達段階と、van Hieleの思考水準理論に基づいて考察した結果、生徒の発達段階に応じて適切な課題を提示することで、段階移行を促せる可能性を示した。
10:55-11:00休憩
11:00-11:20ねじり折りの成立条件 大歳佳穂栗田由梨、杉平理佐子、瀬戸初菜、吉川葉乃
私たちは、平坦折りできるねじり折りの展開図に必要な条件を研究している。まず、三角形に関して、折り線が平行となるねじり折りに注目し、裏に隙間ができない場合について実験と数式を用いて調べた。そこでは、特に折り線と三角形の辺とがつくる角の大きさに注目して考察を行った。次に、四角形のねじり折りに関しても実験を行い、折り線が平行で間の無いねじり折りが可能な、四角形の形状に関して考察を行った。
11:20-11:50立体折りを用いることによる任意の正多角形の作図手法 加藤勇誠
紙を折る操作による正多角形の作図が、これまでに様々に研究され、定規とコンパスでは作図不可能な正多角形も折紙では作図できることが示されている。しかし、折紙の公理に含まれる折り方で作図できる正多角形は限られ、また折り手順は複雑であり、対象とする正多角形ごとに大いに異なる。本発表では、正多角錘という立体形状をはじめに折り出すことで、任意の正多角形を統一的に作図できることを示す。
11:50-12:10出会いから広がった吉澤折り紙 木下芳夫
創作折り紙作家吉澤章の作品が世界から注目を浴び、大きな評価を得たのは、1955年オランダのアムステルダムで開かれた個展がきっかけでした。アサヒグラフ・婦人公論への作品の掲載がこの個展開催の発端となりますが、そこには吉澤章を支援した人たちとの出会いと交流がありました。今回はこの経緯について、当時の資料の紹介とともに発表します。合わせて、吉澤章の折り紙への考え方についても触れたい思います。
12:10-13:00昼休み
13:00-13:20ワークショップ:藤本修三の漸近等分法 西川誠司
折り紙を何等分かに分割する方法はいくつもありますが、藤本修三が1980年代に発表した「漸近等分法」は、折り紙の特徴を活かした優れた方法です。「漸近等分法」で3、5、7、11等分などの奇数等分を雑談を交えて実際に体験してみます。
13:20-13:40教育分野における折り紙の研究が抱える課題に関する一考察 松浦英子
教育と折り紙を結びつけた学術研究を見ると、独自の用語が使われていたり、様々なことが曖昧な前提となっていたりすることがある。これは、学術に必要な折り紙の基礎知識が共通認識化されていないからではないかと考えられる。本発表では、複数の学術研究を取り上げながら、折り紙の専門家から見た「教育分野における折り紙の研究が抱える課題」を明確にすることを試みる。
13:40-14:10膨らんだ折り紙パッケージによるペーパーバッグ問題への変分的アプローチ 土井護
ペーパーバッグ問題とは、伸縮しない閉じた封筒状の袋(長方形の二面体)の容積の最大値を求める問題である。本発表では、任意の長方形の二面体に対し、回転対称な折り紙を適用して四辺を膨らませたパッケージについてこの問題を変分法で解き、容積の最大値とそれを与える折り線のグラフを数値積分により表す。この容積はロビンの近似値を上回る。また、この問題で長方形の縦横比を負に取るとピローボックスの場合の解も得られる。
14:10-14:15休憩
14:15-14:35正多面体間の立体裁ち合わせと再折り遷移の関係 鎌田斗南*、上原隆平
多面体の表面を複数の多角形に切り開き、それらの周を貼り合せて多面体を得る操作を立体裁合せと呼ぶ。多角形の個数が1つの時、再折りと呼ぶ。再折り可能な正多面体のペアが存在するかどうかが未解決である一方、立方体と正四面体の間で2ピースの裁合せが可能である事が、Fredericksonによって示されている。本発表では、再折りによる遷移問題の結果を利用して、正多面体の間に裁合せを構成する手法を紹介する。
14:35-14:55収縮時に立体図形が現れるジャバラの設計手法 Su Dan*、三谷純
本発表では、Book Foldingの手法を工業製品などに用いられるジャバラに対して適用し、収縮時に立体図形が現れるようなアート作品を制作する手法を紹介する。提案手法では、底面の座標に対して高さの値が1つだけ定まるような2.5次元図形を入力とし、その断面を1つまたは2つの台形の組み合わせで近似することで、入力図形に近い形の生成を実現する。展開図を自動生成するソフトウェアに実装し実際に折ることで、立体図形を折り出せることを確認した。
14:55-15:152方向曲げ可能なミウラ折りのパターン設計による空間曲線形状生成  森山空良*、庄国志、舘知宏
連続した隣り合うセクター角を変化させたミウラ折りパターンは、折りたたんだ際にその面内方向に湾曲した帯状に平折りできることが知られている。一方、パターンの垂直方向にセクター角を勾配させると非平坦折りパターンとなるが、これを無理に平坦折りすると折りたたんだ際に面外方向に曲がるになることを見出した。この2つの概念を組み合わせ、ミウラ折りを用いて任意の空間曲線を作り出す手法の提案を行う。
15:15-15:20休憩
15:20-15:40三角形の鏡映タイリングに基づくオーゼティック機構 割鞘奏太*、舘知宏
任意の三角形は自身に内接しながらブロカール点を中心に回転・スケールできる。この性質を活かすと、三角形を辺に関して鏡映反転させてできるタイリングを、タイルどうしが角で繋がったままポアソン比-1で展開する機構に転換できる。本発表では特に、二等辺三角形の鏡映タイリングによる離散一定負曲率曲面に着目する。曲面の模型を作るために用いた三角形二面体の展開に基づくピースと、対応する曲面機構を紹介する。
15:40-15:55Quasi-zero stiffness realization of curved-crease origami cubes Ya Zhou*, Tomohiro Tachi, Jianguo Cai
Curved-crease origami can offer great potential for engineering applications due to its stiffness and deformation properties, such as the easy implementation of the tunable overall stiffness by only adjusting the crease stiffness. Here, a kind of curved-crease origami cube was designed to realize the quasi-zero stiffness and expanded to an application. The cubes with different opening ratios along the creases were fabricated of PLA material by 3D printing and the compression tests were carried out to verify the validity of tunable stiffness. In addition, the performance of an expanded quasi-zero stiffness vibration isolator was analyzed by the finite element method.
15:55-16:15負曲率曲面のAsymptotic曲線に沿った曲面折り 上條陽斗*、権藤智之
曲面と曲線による曲面折りを考える。負曲率曲面をAsymptotic曲線で折る場合にスナップスルーを伴わない曲面折りが可能であることが指摘されている。本研究では負曲率曲面のAsymptotic曲線に沿った曲面折りの大域的な折り可能性を曲率の分析及びシミュレーションによる等長性の評価によって分類、検証する。また、負曲率シェルの座屈モードと曲面折り可能なパターンが特定の荷重条件に対して一致することを解析と実験によって示す。
16:15-16:30多段回転建立方式RES(Rotational Erection System 切り紙・折り紙)の拡張技法 宮本好信
RESは腕・耳・皿の各部で構成され、従来は皿部に折線切線図形を加工して多段化していた。皿部以外に図形を配置する技法と作例を紹介する。この手法により平坦でない基盤にRESを加工できることを示す。GeoGebra、Cuttle、Origami Simulatorを連携した設計方法を紹介する。
16:30-17:00情報交換

研究集会の各回の情報