第21回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

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第21回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第21回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2016年12月17日(土)10:00-16:30(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
備考
会の終了後、懇親会を行います。
主催
日本折紙学会
特記事項
折紙探偵団九州友の会とTV会議システムで結んで、中継を行います。

プログラム

内容は変更になることがあります。
会の終了後に懇親会を予定しています。
10:00-10:10 準備、インフォメーション
10:10-10:35 個人用3Dプリント折紙試作技術 宮本好信
概要:2008年に英国バース大学で自己再生産可能な工作機としてオープンソースのハード・ソフト:RepRapが開発され、その流れをくむFDM型3Dプリンタが各国で製品化され普及した。2014年頃から生産性と安定性を高めた製品が登場し、さらに、無償の立体設計ソフトの普及とデータ生成ソフトの成熟がすすみ、多様微細な利用技術とデータが共有されるようになった。5万円以下で個人輸入可能な3Dプリンタを折紙創作研究に利用する方法を探る。
10:35-10:55 カロリュス・デュランの絵画「喜び楽しむ人々」(1870年) 西川誠司、石井美佐子
概要:1905年に渡仏した本多功がフランスで鶴をナプキンで折って大いに驚かれ、以後、折り紙を再認識して研究をはじめたとされています。しかし、欧州ではさらに、60年遡る1837年のドイツでフレーベルの幼稚園創設があり、折り紙で幾何学模様等を作るプログラムがあり、フレーベルの幼稚園教育が日本に入ってくるのは1870年代の終わり頃です。「喜び楽しむ人々」にはそんな時代の欧州でパハリータが庶民への根付いている様が見事に描き出されています。
10:55-11:30 神谷パターンから骨格へ 村上友哉
概要:神谷パターンを含んだ蛇腹系や22.5度系、ヘックスプリーツなど種々の角度系の平坦折り可能な展開図を得る方法として、骨格による方法を提案する。骨格という概念により種々の角度系の展開図に対して統一的な視点を得られる。
11:30-12:00うず組みの立体化 川崎敏和
概要:うず組みによるユニット折り紙は通常のものと違って、組んだ部分が可動であり異なるサイズのパーツが組めるという特徴を持つ。『折紙探偵団』連載の「シリーズ うず組みの世界」でその作例を紹介してきた。本発表では、立体的なねじり構造のうず組み作品を紹介する。簡単な講習(15分程度)も行う。
12:00-13:30 昼休み
13:30-13:50 厚板ボックスの展開収縮構造を考える 奈良知惠
概要:収納に用いるダンボール箱は折りたたみ可能ではあっても、平坦状態から立体への変形にはテープを貼るなどの作業が必要です。ここでは、これらの手間なしに、ヒンジ(蝶番)の利用によって容易に開閉できる展開収縮構造の例を紹介します。
13:50-14:15 錐体の体積公式と可展面 平田浩一
概要:三角錐や円錐の体積は「底面積×高さ÷3」という公式で求められる。そこで、ある曲面上の図形 F とある頂点 P とで作られる錐体についても同様な体積公式を持つ、そのような曲面と頂点とのペアがないか調べてみた。球面、円柱、円錐以外にも、たくさんの曲面がありしかも可展面であることが分かったので紹介する。
14:15-14:45 RGBD画像情報を利用した曲線折りモデル化の試み 河野優香、三谷純
概要:曲線折りを含む立体形状を計算機上でモデル化する場合、曲面を線織線に沿って分割したポリゴンモデルで近似し、剛体折りと同様に扱う方法が ある。しかし、折る過程で線織線の方向が変化するものについては、この方法では表現できず、動きの自由度が高いためにモデル化が難しい。そこで、計算機上のシミュレーションだけではなく、実際の紙の動きを撮影し、可展面としてモデル化する方法を試みた。
14:45-14:50 休憩
14:50-15:25 折り紙をテーマにしたプログラミングコンテストの開催報告 中野圭介
概要:今年8月に開催したICFPプログラミングコンテスト (ICFPc 2016) について報告します。ICFPcは年1回開催されている国際的なコンテストで、腕に自信のある世界中のプログラマが与えられた問題を72時間で解き合うというイベントです。19回めとなる今回は日本主催ということで私が出題を担当させていただき、折り紙をテーマとして問題を作成しました。本発表では、その問題の概要や参加者からの解答について報告いたします。
15:25-15:55 シン・ゴジラとデスノートと折り紙 三谷純
概要:2016年に公開され、ともに大きな話題となった映画「シン・ゴジラ」と「デスノート Light up the NEW world」の両方に、折り紙が重要なアイテムとして登場した。折り紙は、シン・ゴジラでは分子構造の解析表に、デスノートではサイバーテロリストが嗜む知的な遊びとして使用されている。本発表では、この両作品に折り紙の資料協力および貸出し元として関わった立場から、その舞台裏について紹介するとともに、近年に折り紙が注目されるようになった背景について考察する。
15:55-16:05 ハイパー・コンパスの具体形 日詰明男(代理発表:前川淳(司会))
16:05-17:00 飛び入り発表、情報交換

発表者募集

締め切りましたが、短い飛び入り発表(5分以下)は、当日受つけます。

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