第11回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

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第11回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第11回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2011年12月4日(日)10:00-16:30(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
主催
日本折紙学会

プログラム

10:00-10:05 インフォメーション
10:05-10:30 折り紙作図の普遍化に向けた基本操作の再構築 川崎敏和
概要:折り紙作図の基本操作は、平面の場合は8つ、球面の場合は4つある。本発表ではまず、平面と球面の統一を試みる。さらに3次元空間折り紙作図までを統一的に説明するための折り紙操作の再構築を試みる。
10:35-11:00 展開図からの剛体折り判定 - 渡邊予想の反例 舘知宏
概要:折り紙の連続かつ有限範囲の剛体折り条件はその内在的なパラメータである展開図によってのみ決定すると考えられるが、その必要十分条件は未解決の問題である。渡邊はこの条件を、各セルの有向面積が0であるレシプロカル図が存在することと予想した。本発表ではこの予想の反例を示し、零面積レシプロカル条件は剛体折り条件の必要条件であるが十分条件ではないことを示す。この反例の持つ性質に着目し、展開図からの剛体折り判定について考察する。
11:05-11:30 断面線のキネマティクスを用いた軸対称折り紙の変形アニメーション生成 三谷純
概要:軸対称立体折り紙は剛体折り紙の条件を満たさないため、紙が伸縮せず折り線の位置は変化しないとした場合、開いた状態と折った状態の間を連続的に変形させることができない。本発表では、紙の形は変化しないという制約の元で折れ線位置の連続的な移動を許容することで、軸対称立体折り紙の折った後の形から円筒または円板までの変形を表すスムーズなアニメーションを生成する手法を示す。
11:35-12:05 スリット入り平板素材への折り曲げ操作による形状デザインシステム 鶴田直也(発表) 三谷純
概要:平板状の素材にスリット(細長い切りこみ)を入れることで、折り曲げによる形状変形の自由度が増す。本発表では、複数のスリットが平行に入れられた長方形の素材を折り曲げて得られる形状をコンピュータ上に構築し、対話的に形状を変形させながらデザイン支援を行うシステムの提案を行う。
12:05-13:00 休み
13:00-13:30 多面体を提灯風に折りたたむ 奈良知惠
概要:多面体を破ったり伸ばしたりせずに平らに折りたためるでしょうか? エリック・ドメインたちによって2001年に提案されたこの問題について、最近までに得られた研究結果(伊藤仁一氏・Costin Vilcu氏との共同研究など)の概略と、ごく最近の私の研究成果の中から、とくに、提灯のように垂直に折りたためる立体について紹介します。
13:35-13:55 ものづくり教育に役立つ幾何折り紙教材の試作品 川崎敏和
概要:前回、研究紹介した「ものづくり教育に役立つ幾何折り紙教材」の試作品ができたので参加者に配布・説明する。この幾何折り紙教材は拙作の4枚組みのブロックをベースにしたもので、基本(基本となる作品制作の説明)と課題(演習問題)および用紙(7.5cm角、15cm角)からなる。
14:00-14:30 韓国の折り紙教育システムに関する一考察 松浦英子
概要:日本折紙協会の運営にヒントを得て22年前に発足して以降、独自の折り紙文化を発達させてきた社団法人韓国折紙協会。今や折り紙の教育的価値は、韓国で広く認知され、折り紙教室は子どもに人気のある習い事の一つとなっている。なぜこの短期間に折り紙は韓国に浸透し発展したのか。それはどのようなものなのか。韓国折紙協会が展開する折り紙教育システムと、それを支える韓国の社会的背景について考察する。
14:35-15:00 山崎富太郎算額の菱形図形の折り紙作図 平田浩一(発表) 渡部活路
概要:江戸時代の和算家の間では数学の問題と解法を「算額」という額や絵馬にして神社・仏閣に奉納する習慣があった。算額には図形問題が多く、それ自体計算問題として興味深いものであるが、作図問題として見るとまた別の観点から楽しむことができる。愛媛県松山市道後伊佐爾波神社に奉納されている山崎富太郎算額の菱形図形を折り紙作図問題として取りあげてみる。
15:05-15:30 ジャバラの話 三浦公亮(発表) 舘知宏
概要:四角断面のジャバラは、フラットに畳みこまれたときのみが折り目が無矛盾で、他のすべての伸展位置で矛盾するから、剛体折り紙ではない。近年ジャバラは、機械加工でレーザー光、切削屑の飛散の防護に使われ、多数回の伸縮をこなすから、エルボーの部分で破れる。タチ・ミウラ多面体をジャバラに使うと、全ての領域で無矛盾であり、破れにくい。だから「良い」というのは、早計である。持ちがよいと、次の注文が減るかもしれない。明らかに良いのは、作りやすいことだ。従来のジャバラは、前記矛盾により結構厄介なのである。
15:35-16:05 (不)可能折り紙の分類と系譜と作り方 上原隆平
概要:パズルの中には不可能物体と呼ばれる一群がある。一見、作成が不可能に見える「実物」があり、それを再現するパズルである。こうした不可能物体としての折り紙がいくつか知られていて、デザイン的に面白いものもある。本発表では、こうした不可能物体の一部、特に市松模様について、分類や作りかたを紹介する。
16:10-16:30 話題提供・飛び込み発表

発表者募集

締め切りました。(2011/11/20)