第10回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

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第10回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第10回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2011年7月3日(日)10:00-16:30(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
主催
日本折紙学会

プログラム

10:00-10:05 インフォメーション
10:05-10:35 正三角形を構成要素にもつユニット折りのための立体編集システム 鶴田直也
概要:すべての面が合同な正三角形であるという制約を満たしたまま、立体を編集するためのモデリングシステムを提案する。 本システムで生成される立体は、薗部式ユニットに代表される、3つのユニットが正三角形の面を形作るユニットで実現することができる。 さらに、このような立体の幾何学な観点からの調査と、ユニットの色数と辺の彩色問題の関係について紹介する。
10:35-11:05 A4一枚で折れる2^N倍数の四面体ファミリー 梁海声
概要:A4等の√1:√2の紙一枚で、四つの同じ√3:√4二等辺三角形面を持つ四面体を、2^N倍数である複数個にノーカットで折れる。それら複数個の四面体は、それぞれ四つの三角形の紙の面を持ち、重複していない。即ち、四面体数の4倍の三角形の面がある。一枚の場合、それぞれ奇妙な2個、4個、8個、16個の同じサイズの四面体群が多種に折れる。また、ある規則(パターン)に従うと、無限に2^N個の四面体を折れる。
11:10-11:35 続・複数の箱を折れる展開図について 上原隆平
概要:以前、2通りの箱を折れる展開図についての発表を行った。その際、3通り以上の箱を折れる展開図は未解決問題として残されていた。今回、体積0の箱を認めると、解があることがわかった。具体的には,サイズ1×1×5、1×2×3、0×1×11という3通りの「箱」を折れる展開図が見つかった。さらに,体積0の「箱」を認めるなら,いくらでも多くの「箱」を折れる展開図も存在することがわかった。
11:35-12:00 複数の正多面体を折れる展開図について 上原隆平
概要:複数の正多面体が折れる共通の展開図は存在するだろうか。これは一見すると不可能に見えるが、そうではない。これまでにも「惜しい例」がいくつか見つかっている未解決問題である。そして驚いたことに「正4面体と正6面体をどちらも折れる共通の展開図」はある意味で存在する。本発表ではこの展開図を生成するアルゴリズムについて紹介する。
12:00-13:00 休み
13:00-13:25 「メトロネットワーク」をカードサイズに折る 三浦公亮
概要:地図をミウラ折りに折る基本は、「長方形のある位置に、一つの平行四辺形を生成すること」にある。他の平行四辺形は、併進や鏡映を使えば増殖できるからである。地図はそれこそ位置情報そのものだから、それを使えばよい。メトロネットワークというA4カラーの地図が、地下鉄の駅にあります。それを二三枚お持ちください。駅を追っかけて折ると、自然にできます。(注:地図は、主催者でも用意します)
13:30-14:00 曲面からなる立体形状の三角形パネルによる折り畳みに関する新しい計算方法の提案 深見祐士
概要:折り紙の性質を用いて円筒殻やパラボラ形状などの立体形状の折畳み方法が提案されてきた。一方、従来の折り畳み方法は軌道軸が直線で形成されている立体に適用されている場合が多く、トーラス殻形状や螺旋殻形状など軌道軸が非直線である形状に対しては適用が困難であると考えられる。そこで、本報告では軌道軸が非直線である形状でも折畳みを可能にするための折り畳みパターンを見出す新しい統一的な計算方法を提案する。
14:00-14:25 曲面のエネルギーを考慮した可展面の曲がり方のシミュレーション 金沢隆史
概要:本研究は、紙を折る過程で生じる曲面のシミュレーションを行うことを目指しています。紙は伸縮をしないと仮定し、可展面としてモデル化しました。また、折りの過程で、曲面のエネルギーを最小にするような可展面を探索することで、もっともらしい紙の曲がり方が表現されることをデモを交えて紹介します。
14:30-14:55 平面曲線の折りを含む立体折紙の対話的な設計システム 三谷純
概要:これまでに提案された折紙設計技法の多くは平坦折りを前提としており、曲線折りを含む立体的な折紙の設計は未だ難しい問題である。ところで、任意の可展面に対し、それを横切る平面で曲面の一部を鏡映反転させると、曲線の折りを持ち1枚の紙で制作可能な形が得られる。この原理を用いて、曲線折りを含む立体折紙を対話的に編集できるシステムの開発を行ったので、その紹介を行う。
14:55-15:15 曲線折りを用いた剛体折紙構造 舘 知宏
概要:曲線折りはなめらかな可展面と曲線の折り線からなる。曲線折りでは可展面の母線が曲面に沿ってスライドできるので、一度折った形をねじることで自在に表情を変えられる。一方、曲線折りは四角形メッシュとして離散化できる。本発表では曲線折紙を離散化することで様々な形状の剛体折紙構造をデザインする新規手法を提案する。本手法により特定のねじり状態を目指して変形する一自由度メカニズムがつくれる。
15:20-15:45 折り紙著作権 判例研究 その1 西川誠司
概要:日本折紙学会では、折り紙における著作権のあり方を検討するため、様々な活動を行ってきている。今年5月、東京地方裁判所において折り紙著作権に関わる裁判事例があったので、その判例の内容、課題と今後に及ぼす影響を考察したので、報告する。
15:45-16:00 ものづくり教育に役立つ幾何折り紙教材とテキストの開発 川崎敏和
概要:もの作り日本建て直しの一助として、折り紙をものづくり教育に生かすことを提案する。折り紙は、折り図を理解して、厚さ・重さ・張力のある紙という素材を折り図の指示通りに折る作業である。きれいに折り上げるには練習が必要で、それがものづくりの訓練にもなる。折り紙をものづくり教育に生かすために、色紙と折り図と解説からなる折り紙キットを開発していく。
16:00-16:10 乙号折畳防空カバーの再現報告 川崎敏和
概要:第二次世界大戦中、官制(空襲警報)発令時に室内照明器の明かり漏れを少なくするために折り畳み式のカバーが用いられていた。本発表では、「徳島大空襲を語るつどい」から依頼された防空カバーの再現を報告する。
16:10-16:30 話題提供・飛び込み発表

発表者募集

締め切りました。(2011/06/24)