第14回折り紙の科学・数学・教育 研究集会
第14回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。
- 日時
- 2013年06月22日(土)10:30-17:00(昼食は各自)
- 場所
- JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図)
- 参加費
- 1000円
- 参加資格
- なし。当日会場へお越しください。
- 懇親会
- 会の終了後、懇親会を予定しています。
- 主催
- 日本折紙学会
プログラム
- 10:30 開会
- 10:30-11:00 折り紙の特性を生かした幾何折り紙キット 川崎敏和
- 概要:ものづくり教育に折り紙がいかせると直感的に感じて始めた本研究はまとめの年度に入った。中学・高校・高専での実践をくり返すとともに、阿南高専で行われているものづくり教育と折り紙教材の違いを検証していくことでわかった折り紙にしかできなこと、折り紙の特質を報告する。その特質を活かすために行った折り紙キットの改良についても報告する。
- 11:00-11:25 四元数による剛体折り表現 渡邉尚彦
- 概要:四元数(クオータニオン)はハミルトンによって提案された複素数を拡張した数体系で、最近ではコンピュータグラフィックスやロボット工学において空間の回転を記述する際に利用される。本発表ではベルカストロらによる回転行列を使った剛体折紙表記を四元数を使って記述し、そこから剛体折り条件の導出を示す。
- 11:30-11:55 多重折りによる5次方程式の解法 西村保三
- 概要:通常の折り紙の作図では、高々4次までの方程式しか解くことはできないが、同時に複数の折り線を折る「多重折り」の手法を使えば、高次の代数方程式を解くことが可能になる。アルペリンとラングは、n≧3のとき、一般のn次方程式が(n-2)重折りによって解けることを示した。本講演では、2重折りによる5次方程式の解法について発表する。
- 11:55-13:00 休み
- 13:00-13:25 折り紙展開図にみられる統計的普遍性について 山本健
- 概要:本発表では、折り紙の展開図の統計的な分析の結果について述べる。実際の折り紙作品の展開図を用いて折り線で区切られた領域(セル)の面積の統計分布を調べたところ、対数正規分布という確率分布とよく一致することが分かった。簡単な考察および単純化したモデルの分析を行ない、紙の折り重なりによってセルのサイズ分布の普遍性が現れるという仕組みを提案する。
- 13:30-13:55 ぐらい折りを含むランダムな折り紙作品の発見支援ツール 鶴田直也
- 概要:第9回の発表で、折り畳み形状の数え上げによって折り回数の少ない折り紙作品を発見する手法を提案した。しかし数え上げに基づく手法では組み合わせ爆発が起こることとぐらい折りを考慮できないという問題があった。本発表ではこれらを解決するためのランダムな折りを組み込んだアプローチおよび実装したウェブアプリケーションについて述べる。
- 14:00-14:25 回転対称体の四角パネルによる三次元プロット展開図計算法 深見祐士
- 概要:立体をモデルとして折り畳み条件、閉じ条件を満たすように三次元上に節点、折線を計算していく手法「三次元プロット展開図計算法」の概念より、回転対称体を四角パネル構成の展開構造物として計算する理論、アリゴリズムを紹介する。
- 14:30-14:55 三次元プロット展開図計算法における可展条件付加の検証 深見祐士
- 概要:第10回、13回発表の三次元プロット展開図計算法では節点での可展条件を考慮しておらず、計算される展開図は敷き詰めが不可能で一枚に収めることが不可能であった。本発表では新たな理論、アリゴリズムにより可展条件を付加することで、従来不可能であった一枚の展開図出力を検証した結果を述べる。
- 15:00-15:25 ボロノイ図に基づく平坦ねじり折りテセレーションパターンの設計支援システム 三谷純
- 概要:ある種のタイリングパターンに対して回転と縮小という単純な幾何処理を施すことで、ねじり折りを基本とするテセレーションパターンを生成できる。LangとBatemanは、これがマクスウェルの相反図に見られる幾何的性質を満たす場合に成り立つことを示した。本研究では、この原理で得られるパターンにデザイン性を付与するために対称性を持つボロノイ図の生成を行い、また折線への山谷の割当てを対話的かつ高速に行うシステムの開発を行った。
- 15:30-16:00 回転建立工法 折図自動生成 (RES Crease-Cut Pattern Generation with Geogebra) 宮本好信
- 概要:一枚の紙に折目と切目を入れて回転操作で立体化する手法(RES: Rotational Erection System)の折図を動的数学ソフトGeogebraで生成する。(Daniel Rodrigues [リオデジャネイロ連邦大学]と共同)また、RESの深化デザイン例(曲線折RES)、海外出展事例(フロリダ大西洋大学、バークシャイアー博物館)を紹介する。
- 16:05-16:30 飛び入り発表等
- 16:30-17:00 第6回折り紙の科学・数学・教育国際会議(2014年)について
発表者募集
締め切りました。(2013/06/10)過去の研究集会の情報
- 第1回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2006年12月)
- 第2回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2007年5月)
- 第3回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2007年12月)
- 第4回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2008年6月)
- 第5回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2008年12月)
- 第6回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2009年6月)
- 第7回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2009年12月)
- 第8回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2010年6月)
- 第9回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2010年12月)
- 第10回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2011年7月)
- 第11回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2011年12月)
- 第12回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2012年6月)
- 第13回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2012年12月)