第12回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

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第12回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第12回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2012年06月23日(土)10:30-17:00(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
懇親会
会の終了後、懇親会も予定しています。
主催
日本折紙学会

プログラム

10:30 開会
10:35-10:50 ものづくり教育に役立つ幾何折り紙教材の開発(報告3) 川崎敏和
概要:第11回研究集会で紹介した試作品を改良した。使用者の意見をもとに、折り紙キットをシリーズ化する際の最終ひな形を完成させる。
10:55-11:25 球面折紙作図の基本操作xA∈l∧xB∈mの解の個数について 川崎敏和
概要:与えられた2点A,Bと2直線l,m に対して、Aをl上に、Bをm上に乗せるように同時に折る操作:xA∈l∧xB∈m は平面折紙作図と球面折紙作図において最も重要なものである。球面において、点A 中心に大円lを1/2に縮小した曲線の性質を調べることで、この操作の解の個数がどのように決まるか解明する。
11:30-12:00 「折り紙公理」の構築に向けて 羽鳥公士郎
概要:「藤田-ジュスタン公理系」または「折り紙公理」と呼ばれる7つの折り方を「本物の」公理系にすることはできないだろうか。この発表では、「折り紙述語」を定義することで、「折り紙公理」を述語論理のみを用いて形式化できることを示し、いくつかの興味深い定理を証明できる公理系を作る。さらに、その公理系をユークリッド公理系と同等ないし類似の公理系にする可能性を探る。
12:00-13:00 休み
13:00-13:25 Finding a folding sequence for an origami crease pattern using graph pattern matching: Hugo Alves Akitaya
概要:This work describes a system designed to find automatically a folding sequence given a crease pattern using graph pattern matching to find the occurrence of known folds and undo them, thus finding a sequence to unfold the model. The sequence is then reverted, achieving the desired diagrams. By the present time, the proposed system only recognizes simple mountain/valley folds.
13:30-13:55 側面線および掃引軌跡を入力とした立体折り紙の設計システム 三谷純
概要:可展面の一部を鏡映変換した形もやはり1枚の紙を折って作れることが知られている。本発表では、側面線を掃引して得られる柱面に対して、鏡映変換を複数回適用して立体的な折り紙の形状を生成するシステムを提案する。鏡映変換のための鏡映面は、ユーザが入力として与える掃引軌跡から算出する。このため、ユーザは側面線および掃引軌跡という2つの曲線を入力することで立体的な折り紙を 設計できる。
14:00-14:30 複合材折紙の提案 斉藤一哉
概要:軽量で高強度、高剛性を実現できる繊維強化複合材は、航空宇宙分野の様々な場面で金属材料に代わりつつある。複合材はクロス材や不織布などの強化繊維材を樹脂で硬化させて製作され、平面から立体を作る折紙の手法と非常に相性が良い。本発表では、 折線部にシリコン樹脂を含浸させることで、複合材で折紙を製作する方法を紹介する。またこの手法を応用して炭素繊維強化樹脂(CFRP)ハニカムコアを製作する方法に関して述べる。
14:35-15:00 三角形パネル剛体折紙の端点拘束による形状制御 舘知宏
概要:三角形パネルを基本とした多自由度の剛体折紙機構をアダプティブに変化する立体形態へ応用するため,端点コントロールによる制御方法を提案する。幾何拘束下での立体形状変形から得られる端点位置の履歴を用い,剛体折紙の立体形状と動きを再構築する。この手法の妥当性について,幾何的に考察し,シミュレーションによるデモンストレーションを行う。
15:05-15:20 Adobe Illustrator のスクリプトで実現する折り図作成支援 三谷純
概要:Adobe Illustrator には、Java Scriptで記述されたプログラムを実行する機能が備わっている。今回、図形を直線で2つに切断し、一方を直線で折り返す機能の実装を試みた。この機能により、ある形を谷折りした後の形を自動生成できる。このようなスクリプトの開発により、折り図作成の手間を軽減できる可能性がある。本発表を通して、折り図の作成において、あると便利な機能をヒアリングさせていただきたい。
15:25-16:05 折り紙著作権に関する研究 -折り紙の著作権の形式について- 西川誠司
概要:著作権は創作的表現を保護する権利であるが、折り紙はその多面性ゆえに著作権議論が混乱しがちである。折り紙の著作権の形式を明確にすることは、テータベースの意味を論じる上でも非常に重要である。著作権専門の弁護士の見解を参照しながら、折り紙の著作権の形式について妥当性を検討し、2005年のJOASガイドラインの意味付けを明確にしたい。
16:10-16:15 折り紙著作権に関する研究 関連報告 西川誠司
16:20-17:00 参加者による話題提供

発表者募集

締め切りました。(2012/06/05)