第18回折り紙の科学・数学・教育 研究集会
第18回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。
- 日時
- 2015年6月20日(土)10:00-17:00(昼食は各自)
- 場所
- JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図)
- 参加費
- 1000円
- 参加資格
- なし。当日会場へお越しください。
- 備考
- 会の終了後、懇親会を行います。
- 主催
- 日本折紙学会
プログラム
- 10:00 開会
- 10:00-10:25 有界な用紙の表裏同等折り線図について:川崎敏和
- 概要: 前川淳が与えた2種類の表裏同等折り紙の定義を統一する。そして、有界な用紙の表裏同等折り紙には、折り線の山谷が回転で反転するものと線 対称移動で反転するものの二種類しかないことを示す。
- 10:25-10:45 二等辺三角分割に基づくつる巻き折りと正奇角柱容器とその表裏同等性(第2報):川崎敏和
- 概要:「有界な用紙の表裏同等折り線図について」で定義した表裏同等折り線図、表裏同等折り紙の定義を基に、二 等辺三角分割に基づくつる巻き折りと正奇角柱容器の表裏同等性を論ずる。
- 10:50-11:20 簡易版雪片曲線折り紙について:池上牛雄
- 概要: コッホの雪片曲線を折り紙で再現出来るかという問題について、曲線を単純化した簡易版が再現可能と判明した。この簡易版雪片曲線は、フラクタルではないが輪郭線の長さが線形の増加をして無限大に発散する。しかもその際に作品サイズは縮小されずに一定を保つ。この折り紙作品について、基礎である雪片曲線作品の構造とその問題点の解消を目的とした簡易化の視点から解説する。
- 11:25-11:45 高次項を考慮した剛体折紙の特異状態解析:渡邉尚彦
- 概要: 不安定リンクモデルの挙動解析に対して適用されている一般逆行列による解析と得られた知見を、剛体折紙モデルへ適用した際,初期平坦時はちょうど特異状態に相当する。このような特異状態での変形を扱う方法としてリンクモデルになされている2次項まで考慮した解析を、剛体折紙モデルに適用した場合を示す。また,過去に提案した平坦時における剛体可折モード抽出法の必要・十分性を検討する。
- 11:50-12:00 七金三パズルのその後の発展:細矢治夫
- 12:00-13:30 昼休み
- 13:30-13:55 紙の折りにくさの評価方法の研究:岩井仁志
- 12:00-13:30 昼休み
- 概要: 一般に、紙の折りにくさは、紙の重なり枚数に起因すると思われるが、折りにくさの本質はそれだけではない。本研究では,紙の折りにくさについての評価方法を提案する。折りにくさを簡潔に評価するために,物体の折り曲げにくさの指標の一つである断面2次モーメントを導入した。折り目の断面のある特徴にのみ着目して計算した断面2次モーメントは、折りにくさの指標として有用であることが判明した。
- 14:00-14:20 45度系格子パターンから作り出される平坦折り形状の列挙:山本陽平、三谷純
- 概要: 折り紙の基本形の多くが45度系の展開図を持ち、幅広い創作活動の基本となっている。では、このような45度系の格子パターンから作られる形は何種類あるだろうか。このような問いに応えるべく、正方形の1辺の長さの4分の1を基準とした格子パターンから、局所平坦折り可能条件を満たす折れ 線の配置パターンを列挙し、それを平坦に折った後に現れる形を全て列挙したので、その結果を報告する。
- 14:25-14:45 グラマンの折りたたみ翼:宮本好信
- 概要: 海軍艦載機の折りたたみの機構には、グラマン(Leroy Grumman,1895-1982)の立体的「折り」の発想があった。他の折りたたみ方式とグラマンの独創的方式の比較、グラマンの後継者によるアポロ月着陸船に設計おける発想法の継承に言及する。
- 14:45-15:05 RESとLEMS:宮本好信
- 概要: 筆者による折紙切紙の立体化手法 Rotational Erection System(RES): 回転建立方式は、建築工法を意識したものである。MEMS分野ではハウエルら(米国BYU、コンプライアント機構研究所)がこれに関連した手法をLaminar Emergent Mechanisms(LEMS): 薄板発現機構として系統的に開発している。RESとLEMSを比較して折紙工学的接点を探る。
- 15:10-15:40 折紙テセレーションの剛体折り:舘知宏
- 概要: ミウラ折りやレッシュ・パターンなどの折紙テセレーションは、軽量構造のコア材や展開構造物など様々な工学応用の可能性がある。これらの折紙を実際に手で折ってみると、小さい部分を折るのは簡単なのに、パターンの繰り返し回数が多いと非常に難しいという状況に直面することがある。本発表では、対称性を持って無限に繰り返す折紙テセレーションの剛体折り問題を扱い、その剛体折り可能性と自由度について論じる。
- 15:45-16:10 最大内接球を用いた四面体の平坦折り畳み:奈良知惠
- 概要: どんな四面体もどの2面に折り目を入れることなく、切ったり伸ばしたりせずに(連続的に)平坦化できる。そこで、この連続的折り畳みを用いて、種々の切頂多面体を連続的に平坦化したい。四面体の最大内接球に着目して、連続的に折り畳まれるためのポイントについて述べる。例えば、最大内接球を含む任意の切頂四面体は(ある条件下で)そのような連続的折り畳みが可能である(伊藤仁一氏との共同研究)。
- 16:15-16:30 日本折紙学会について:西川誠司
- 16:30-16:35 第19回研究集会とJAISTシンポジウムについて:上原隆平
- 16:35-17:00 飛び入り発表など
- 17:00過ぎから 懇親会
- 16:30-16:35 第19回研究集会とJAISTシンポジウムについて:上原隆平
発表者募集
締め切りました。過去の研究集会の情報
- 第1回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2006年12月)
- 第2回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2007年5月)
- 第3回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2007年12月)
- 第4回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2008年6月)
- 第5回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2008年12月)
- 第6回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2009年6月)
- 第7回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2009年12月)
- 第8回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2010年6月)
- 第9回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2010年12月)
- 第10回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2011年7月)
- 第11回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2011年12月)
- 第12回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2012年6月)
- 第13回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2012年12月)
- 第14回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2013年6月)
- 第15回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2013年12月)
- 第16回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2014年6月)
- 第17回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2014年12月)