第17回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

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第17回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第17回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2014年12月14日(日)10:00-16:00(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
備考
会の終了後、6OSME(第6回折り紙の科学・数学・教育国際会議)打ち合わせを行い、その後、懇親会を行います。
主催
日本折紙学会

プログラム

10:00 開会
10:00-10:15 表裏同等折り紙の定義と簡単な命題:川崎敏和
概要:表裏同等折り紙の定義を与える。定義は形式的折り線図の表裏同等性から入っていく。また、定義から導かれる簡単な命題を紹介する。
10:20-10:40 海外プロジェクト:大型展示と量産DM:宮本好信
概要:パリの高級ファッション・ブランド店の食器展示(円錐曲面折)、米国の大手航空会社のホリデー・カード(RES回転建立方式)、でのデザインのプロセスを紹介する。
10:40-10:50 建築学科導入教育:ユニット折紙利用:宮本好信
概要:ユニット折紙(スポンジ・キューブ / 川崎敏和)を使った授業事例と広報アウトリーチのワークショップ事例を紹介する。
10:55-10:25 数学教育における折り紙の活用に関する研究:大塚佳美
概要:「折紙数学」と「数学教育」の接続を考察していくものとする。折紙操作の中にある「折る」「折り返す」「組み立てる」「折り合わせる」などの活動が,数学教育的価値を見いだすために有用であることを認識している。すなわち,折紙の対称性・等分性・相似性・またその保存性などが折紙の数学的価値を数学教育の枠組みに具体的に取り込める要素として潜在しているのである。現在の教授過程における問題意識を焦点化し,系統立てて取り入れていくことを提案するものとする。
11:30-11:55 面積30の3つの箱の共通の展開図:Dawei Xu、堀山貴史(発表)、白川俊博、上原隆平
概要:3つの箱に共通する展開図は、無限に存在するが、既知の最小のものは、532個の単位正方形からなる。必要条件から、面積 46 のものが最小となる可能性があるが、単純な全探索には大きすぎる。そこで、1x2 の対角線方向に正方格子を取ることを許し、1x1x7, 1x3x3,√5x√5x√5 の3つの箱について面積 30 の共通の展開図を求める。我々は、DFS と BFS の併用による全探索、及び ZDD による全探索 の2つの手法により、9個の共通の展開図を得た。
11:55-12:55 昼休み
12:55-13:10 折紙の数学・科学・工学・デザインの最先端:舘知宏
概要:2014年8月に開催された6th International Meeting on Origami in Science, Mathematics, and Education (6OSME)では,折紙に関わる様々な領域の研究発表が130件以上あった。数学・科学・工学・デザインのセッションからの発表を紹介し,折紙の最先端研究を概観する。
13:10-13:30 剛体折り可能なフイゴへのアプローチ:舘知宏
概要:閉じた空間を剛体折りで連続的に畳めれば,折り畳み容器,折り畳み建築など様々な応用が見込める。しかし剛体折り可能なフイゴは存在しないことがConnellyらによる「フイゴ定理(Bellows Theorem)」によって証明されている。そこで,剛体折り可能な折り畳みフイゴ「のようなもの」を作る試みを紹介する。材料の歪み,折り線の移動といった工学的なアプローチの他,小さなスリットを用いて「厳密にチートする手法」を紹介する。
13:35-14:05 グリップの「アイソペリメトリック」デザイン -スポーツ用具、日用品等-:三浦公亮
概要:折り紙の本質である等長性(アイソメトリイ)は、工学に応用する場合には、容易ではない制約となることがある。ここでは、その本質によってのみ可能な工学の一面があることを示す。グリップは、手と用具とのインターフェースであり、これを通して、力やトルクを知覚し、情報処理をして、対応する力とトルクを返す。グリップ形状は通常円形であり、その一番基本的な量は、その周長である。グリップの意図しない滑りをとめるために、古来各種各様の凹凸を表面に施す試みがなされている。問題は、これによって周長が位置によって変化し、確実な把握を妨げる。周長を変化させないで、適当な凹凸を生成する方法を提案する。
14:10-14:40 ハネカクシの翅の隠し方:斉藤一哉
概要:甲虫の一種であるハネカクシは鞘翅が短く胴体がむき出しになった独特な身体をしており他の 甲虫と比べて後翅の収納スペースが小さいにもかかわらず、左右非対称なパターンを用いることで巧妙に後翅を折りたたんでいる。本講演では ハイスピードカメラによって撮影された実際の展開・収納挙動の映像を基に、この折りたたみプロセスと翅の展開図について解説するととも に、この展開・収納メカニズムの工学への応用可能性に関して述べる。
14:45-15:05 45度系格子パターンでの平坦折り可能展開図の数え上げ:三谷純
概要:折り紙の基本形の多くが45度系の展開図を持つ。45度系のパターンは、正方形の紙から簡単に折り出せるため、幅広い創作活動の基本となっている。では、このような45度系の格子パターンから作られる形は何種類あるだろうか。このような問いに答えるべく、まずは正方形の1辺の長さの4分の1を基準とした格子パターンから、局所平坦折り可能な折り線パターンをすべて列挙したので、その結果を報告する。
15:10-15:35 空間曲線からの曲線折の計算について:深見祐士
概要:与えられた空間曲線を基準とした曲線折の計算手法の紹介、および近似解からの考察、計算された曲線折の剛体折シミュレーションによる考察等をまとめる。
15:40-16:00 飛び入り発表など
16:00-17:00 6OSME事務会議(スタッフ以外は一旦退席していただきます)
17:30ごろから 懇親会

発表者募集

締め切りました。