第20回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

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第20回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第20回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2016年6月25日(土)10:00-17:00(予定)(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
備考
会の終了後、懇親会を行います。
主催
日本折紙学会
特記事項
折紙探偵団九州友の会とTV会議システムで結んで、中継を行います。

プログラム

内容は変更になることがあります。
会の終了後に懇親会を予定しています。
10:00-10:15 準備、インフォメーションなど
10:15-10:35 折紙の重心計算  三好潤一
概要:紙の重心については2012年に竹川青良作ムクムクの重心移動を計算した前川淳氏の例がある。本発表では、このムクムクの重心計算の詳細なフォローアップを行い、できればその他の応用について検討したい。
10:40-11:00 蛇腹折りで球面を近似しよう  奈良知惠
概要:折紙の「風船折り」は正方形から「ハサミ」も「糊」も使わずに球面に近い形を形成する。ここでは、糊だけを使って、折り畳み可能、かつ、球面をより一層近似する長方形の蛇腹折りと糊付けの設計(2通り)について紹介する。
11:05-11:20 紙を軸に巻き付けたときの展開図から見えてくるミウラ折りの発展の可能性   大豆生田瑠那
概要:折り紙の機能性と収納性に注目して、折りたたみ傘のように大きなシート状のものを簡単に収納および展開できる折り方を見つけ出すことを目的とした。5種類の正多角形の中心軸を用いて折り畳んだ時にできる展開図の比較をしたところ、3つの法則を発見することができた。その結果から、展開図の紙の厚みによるズレと折り目にかかるストレスを軽減させる必要があるとわかってきた。
11:25-11:40 ペットボトルつぶし -効率のよいつぶし方と未来のペットボトル提案 -   滝川永
概要:2Lの角型、1.5Lのペットボトルを用い、どのようにつぶせば市の指定ごみ袋に多くの本数を入れられるか調べた。2L角型は3か所をつぶせば、そのままの時よりも約1.5倍の本数を収納できた。1.5Lの丸型は平らにつぶすことが難しい。強度を保ったまま潰しやすい物にするため、折り目の模様を側面に入れることを考えた。結果、吉村パターンを裏表に1対つけたものと、横に9つ並べた新しいペットボトルを考えた。
11:40-13:30 昼休み
13:30-13:45 45度系格子パターンから作りだされる平坦折り形状の折り畳み可能性について(続報)  松川剛久、三谷純
概要:本発表は第19回研究集会にて発表された、45度系格子パターンから作りだされる平坦折り形状に関する研究の続報である。正方領域以外の格子パターンについても調査を行ったことで、2x3, 2x4 などの9マスより少ない領域には、平坦折りできない展開図は存在しないことを確認した。また、名刺サイズ(5号)の縦横比に適合する、 3x5のパターンから作りだされる形の列挙も行った。
13:50-14:15 三角形から構成される軸対称な立体折紙  趙岩、三谷純
概要:三角形から構成される軸対称なる立体折紙を対象とした、対話的な形状設計手法を提案する。提案手法では、展開図の一部を入力することで形状の設計を行う。対称性による制約から、形状の動きは1自由度に制限される。実装したシステムでは、1つのパラメータを操作することで、立体の開閉をシミュレートすることができる。また、切り込みを入れることで、回転方向にも開閉が可能であることを確認した。この手法を用いて、変化に富んだ作品を様々に作れることを確認したので報告する。
14:20-14:45 単頂点剛体可折条件 ザカリー・エイブル、ジェイソン・カンタレラ、エリック・ドメイン、デビッド・エプスタイン、トーマス・ハル、ジェイソン・クー、ロバート・ラング、舘知宏
概要:折り線パターンから、面の変形を伴わない連続的な折りが可能かどうかを判定する剛体可折性の問題については、一般の場合のみならず、単頂点についても、これまではっきりした条件が明らかにされていなかった。これは、平坦折りでは前川定理・川崎定理といった、基本的な条件が知られているのと対照的である。この研究では、単頂点のモデルにおける剛体折りのための必要十分条件を明らかにする。
14:50-15:15 桑名市新発見の魯縞庵関連史料について - 桑名市博物館編『連鶴史料集』発刊に合わせて -   中村智晴
概要:義道は寛政期桑名の僧侶で、号を魯縞庵といい、折鶴に長け、その作品は作家秋里籬島により『秘伝千羽鶴折形』として世に出た。2014年に桑名市長圓寺で発見された史料には『新撰素雲鶴』をはじめ魯縞庵の作品制作過程が伺え、今年その史料の一部が桑名市博物館編『連鶴史料集 - 魯縞庵義道と桑名の千羽鶴 - 』として公開された。本発表は、新資料の概要と史的意義、及び更なる調査が俟たれる点について述べるものである。
15:20-15:45 連鶴新史料の再現に関する一提案  堀口直人
概要:一昨年『秘伝千羽鶴折形』の考案者である義道が遺した新史料が発見された。しかし、そこに記された情報では掲載された連鶴を完全に再現できない。一方で、史料の研究には掲載作の実像を推測することが必須となる。また研究とは別に、掲載作を愛好家が気軽にアレンジして発表できる流れも重要である。本報告では、史料内の再現に関わる記述の検討および報告者の再現実践例から、新史料の再現に際し考慮すべきことを提案する。
15:50-16:15 折り紙美術の登録システム  西川誠司
概要:日本折紙学会では「折紙アートミュージアム」を立ち上げ、折り紙を様々な角度から紹介する試みを行っています。最初の企画として、6OSME開催に合わせ「秘伝千羽鶴折形」の紹介を行いました。本日の話題はこの「折紙アートミュージアム」とリンクする折り紙美術の登録システムを紹介したいと思います。作品情報を系統的にデータ収集保管するシステムの構築を一つの目的としてOrigami archive systemの立ち上げを構想し、試験を行っています。
16:15-17:00 飛び入り発表、情報交換

発表者募集

締め切りました。