第22回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

このページの目次


第22回折り紙の科学・数学・教育 研究集会

第22回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。

日時
2017年6月17日(土)10:00-17:00(昼食は各自)
場所
JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図
参加費
1000円
参加資格
なし。当日会場へお越しください。
備考
会の終了後、懇親会を行います。
主催
日本折紙学会(連絡先:webman@origami.gr.jp)
九州会場への中継
九州(佐賀大学会場)へ、ネット中継を行います。
  • 会場:佐賀大学 教育1号館 2階101教室
  • 参加予約:不要です。当日会場までお越しください。
  • 参加費:一般 1000円、学生500円

プログラム

内容は変更になることがあります。
会の終了後に懇親会を予定しています。
10:00-10:10 準備、インフォメーション
10:10-10:35 Rep-cube : 立方体の展開図の分割に関する研究
上原隆平
概要:一つの立方体の展開図をいくつかのパーツに切り分けて、それぞれが小さい立方体の展開図にできるとき、元の展開図をRep-cubeと呼ぶ。2016年に提案された,この新しい概念について、既存の結果と,ごく最近になって得られた新しい結果を紹介する。特にピタゴラス三角形との関連についての新しい結果が興味深い。
10:40-11:05 折り鶴イメージの比較研究に向けて - 日韓比較試論 -
松浦英子
概要:文化的側面から見た折り紙の「教育力」を研究するにあたり、世界で最も広く知られた折り紙作品である折り鶴に焦点を絞り、日韓の折り紙愛好家を対象として実施した、アンケートによる予備的調査について報告する。アンケート回答者には、日韓で平均年齢と経験年数にそれぞれ10年の開きがあった。注目すべきは折り鶴のイメージに差が見られた点で、日本は「伝統的」が多く、韓国は「祈り」「願い」が多かった。
11:10-11:30 切頂八面体に潜むパズル的平坦化を解く
奈良知惠
概要:ハーバード大学の研究グループが開発したペーパーパズルの動きは大変興味深い(http://www.boredpanda.com/shapeshifting-paper-puzzle-harvard/)。そのモデルを切頂八面体から作成し、剛性折りを確認するとともに、同様な性質をもつ他の多面体についても述べる。
11:35-12:00 実用上線形時間で動作する折り紙シルエット推定アルゴリズム
大内康治
概要:近年、折り紙のシミュレーションを行うソフトウェアが開発され,折り紙の実用的な応用が模索されている。折り畳み可能性判定のような理論的な取り組みも活発である。折り紙シルエット推定とは、展開図を折り畳んだ時の形状を紙の重なりを無視して求める問題である。これはシミュレーションと、限定的な折り畳み可能性判定の両方を含む。発表者らは、折り紙シルエット推定の効率的な手法を開発し、計算誤差の低減方法を提案した。
12:00-13:15 昼休み
13:15-13:45 平坦折り畳み可能な単頂点折り線パターンの効率的な列挙
大内康治
概要:自然な仮定を設け、平坦折り畳み可能な単頂点折り線パターンの列挙を効率よく行うアルゴリズムを提案する。正の偶数nが与えられ、折り線間の角度を2π/nの整数倍と仮定し、回転、鏡像、山谷反転による重複を取り除いて列挙する。発表者らの知る限りでは、このような試みは本研究が初出である。提案法では、計算折り紙に限らない種々の分野の成果を利用している。提案法の計算量を解析し、実験ではn=32までの列挙を行った。
13:50-14:15 超高性能コンクリート(UHPC)のチルト・アップ建築骨組構法
宮本好信
概要:2010年代に実用化した超高性能コンクリート(UHPC)は、補強鉄筋を削減し、薄く軽く設計でき、耐候性耐久性を向上できる。このUHPCで地面に10-15cmの薄板を打設して部材を形成し、切紙・折紙式に建ちあげ、鋼線/綱棒で支える構法で直径20~30m程度の半円筒、半球などの建築空間構造が可能であること構造計算で検証した。
14:20-14:45 オリガマイザの証明
舘知宏(発表)、エリック・ドメイン
概要:オリガマイザ(舘 2007)は、三次元メッシュとして入力された多面体を展開図に変換し、一枚の紙から切り込みなしで「水漏れなく」折りだせるようにするソフトウェアである。しかしこの手法は必ずしも解の存在を保証できず、数学的に一般性を持ちうるかは未知であった。本発表では、10年越しの共同の成果(SoCG 2017発表予定、70ページ論文)、すなわちオリガマイザの改良アルゴリズムで任意の多面体が折れることの構築的な証明、を紹介する。
14:50-15:15 双対タイリング折り紙
安達瑛翔(発表)、舘知宏、山口泰
概要:Lang の作品 "Octet Truss" は flagstone tessellation の中でも二つの平面を同時にタイリングする特殊な折り紙である。Octet Truss の構造を一般化したものとして双対タイリング折り紙を定義し、二つの平面とタイルの作るグラフについて、双対タイリング折り紙が存在するための必要十分条件を明らかにする。平坦折りに限ると条件が単純になり、平坦でない場合では任意の平行四辺形格子に対し平面間の適切な幅が存在して、双対タイリング折り紙を折ることができる。
15:20-15:40 Origami Checkerboardの最適解探索
大島和輝(発表)、三谷純
概要:裏色違いの正方形の紙を折り、できるだけ少ない折りの回数で3x3のドットパターンを出現させることを目的としたOrigami Checkerboardというパズルがある。パターンは50通りあり、全てのパターンに対する折り手順が発見されている。しかし、それらが最短手数かどうかは明らかでない。本研究ではプログラムによる総当たりの探索を行い、各パターンに対する最適解を明らかにすることを試みた。
15:45-16:05 平織りによるドット絵の表現
山本陽平(発表)、三谷純
概要:平織り(Tessellation)と呼ばれる折り紙の造形手法では、幾何学的なタイリングを作ることができる。正方格子の各マス目に黒または白を割り当てて形を表現する「ドット絵」を、平織りを構成する紙の層の重なりで表現する手法を提案する。提案手法は、基本構造である11種類の展開図要素の連結によって、任意のドット絵の展開図を設計する。実際に複数のドット絵を折ることができたため報告する。
16:05-16:25 ピタゴラス数を用いた神谷パターンの一般化
川崎敏和
概要:3辺の長さが3、4、5の直角三角形をその内心と頂点を結ぶ線で折りたたんだときつく折り線「神谷パターン」は、直角を挟む2辺を座標軸にとると頂点すべてが格子点になるという性質をもつ。神谷哲史氏はこの性質を利用して神谷パターンを蛇腹折りに組み込んで「龍神3.5」などの作品を設計した。本発表では、ピタゴラス数を用いて,既に発見されている3辺の長さが5、12、13や8、15、17の直角三角形を含む一般化された神谷パターンをすべて構成する。
16:30- 17:00飛び入り発表、、情報交換

発表者募集

締め切りましたが、短い飛び入り発表(5分以下)は、当日受つけます。

過去の研究集会の情報