第25回折り紙の科学・数学・教育 研究集会
第25回折り紙の科学・数学・教育研究集会を、下記の要項で行ないます。
会は、研究者の発表と質疑というかたちで行われます。どなたでも聴講できます。
- 日時
- 2018年12月15日(土)10:00-17:00(昼食は各自)
- 場所
- JOASホール(文京区白山1-33-8 朝日マンション2F 都営三田線白山駅下車すぐ) (地図)
- 参加費
- 1000円
- 参加資格
- なし。当日会場へお越しください。
- 備考
- 会の終了後、懇親会を行います。
- 主催
- 日本折紙学会(連絡先:webman@origami.gr.jp)
- 九州会場への中継
- 九州(佐賀大学会場)へ、ネット中継を行います。
- 会場:佐賀大学
- 参加予約:不要です。
- 詳細は、追って連絡します。
- 参加費:一般 1000円、学生500円
プログラム
内容は変更になることがあります。会の終了後に懇親会を予定しています。
- 10:10-10:35 剛体折り木工家具の設計手法
- 宮本好信
GeoGebra(幾何数学ソフト)、Fusion360(三次元CAD)、折紙シュミレーター(Webアプリ)を用い、自由度を制御した剛体折り可能な家具を設計する方法を示す。集成材をCNCルーターで加工し、金属蝶番を埋め込み加工して、木工工芸品として製品化する前提での詳細設計例を示す。本技法の考案者である元スペースXの展開機構技術者Brian Ignautが起業した剛体折紙木工ブランドDegree of Freedomの製品開発事例を紹介する。 - 10:35-11:00 和傘と双ピラミッドの折り畳み
- 奈良知惠
和傘と洋傘の折り畳みの方法には大きな相違があり、この観点から、双ピラミッドの連続的折り畳みの方法について述べます。ちなみに、双ピラミッドとは合同なn角形のピラミッドの底面を貼り合わせてから、貼り合わせた底面を除去した立体を指します。連続的折り畳みの主要な役割を担う、「ひし形の翼折り」をどのように適用するか、また、双ピラミッドをより一般形にしたときに生じる課題についても述べます。 - 11:00-11:20 非平坦剛体折り経路との比較における平坦時剛体可折モードの特徴づけ
- 渡邉尚彦
これまで発表者は剛体可折二面角モード抽出において、平坦時は高次項の考慮が必要となる特異な状態であるとの位置付けをしてきた.今回は正負曲率を持つ非平坦ディスクが取りうる剛体折り経路との比較から平坦ディスクの変形経路における特異時の特徴付けを行う。 - 11:20-11:50 柱面をタイリングする双対タイリング折り紙
- 安達瑛翔、舘知宏、山口泰
Langの作品Octet Trussは正四角錐と正四面体からなるトラス構造を作るテセレーションである。この作品の表面には二つの正方形格子が現れる。この作品を一般化し、二種類の二回転対称な四角錐と二種類の四面体によって柱面の間の空間を充填する折り紙を提案する。四角錐の組の作図方法と満たすべき条件を確認し、いくつかの例を紹介する。 - 11:50-13:10 昼休み
- 13:10-13:45 折り紙タービン
- 日詰明男
折り紙の発想で、シンプルにして堅牢、そして回転効率の高いタービン構造を発明しました。水力、蒸気、風力、ガスタービン、ジェットエンジン、ポンプ、送風、スクリュー、車輪、オルゴール、楽器、人工樹木、太陽光発電支持体、スプリング構造、本(情報担体)などに応用できるでしょう。手始めにヘリコプターや車輪を実作しました。 - 13:45-14:15 箱折り問題に対する効率の良いアルゴリズム
- 堀山貴史、上原隆平、水無浩一
与えられた多角形Pと、多面体Qに対して、PからQが折れるかどうか、あるいはその逆を判定する問題は、一般に効率の良いアルゴリズムは知られていない。本発表では、Pから箱が折れるかどうかを判定する効率のよいアルゴリズムを紹介する。多角形Pがポリオミノのときに制限してこのアルゴリズムを実装し、いくつかの多角形について実験したところ、「3種類の箱を4通りの方法で折れるポリオミノ」の新種を発見できた。なおこの研究は、水無浩一氏、堀山貴史氏との共同研究である。 - 14:15-14:45 「白い魚と黒い魚」壁紙と、くしゃくしゃの紙
- 三浦公亮
一片の紙を、両手の中で縮めてから平らに伸ばします。これは本当にめちゃくちゃで、誰も見向きもしないでしょう。私もその一人でした。ところが最近ふと、これも自然のなす業だと意識し、・・・。くしゃくしゃの皴の中から、少しばかり有意の折り目のパターンを取り出し、演繹すると、段々パターンが見えてきて、最期には、Fedorovの17のパターンの一つがでてきました。それはエッシャーの白い魚と黒い魚の壁紙と同じパターンでした。 - 14:45-14:50 休憩
- 14:50-15:15 算数・数学の授業における折り紙の利用について
- 松原和樹
折り紙を用いた算数・数学の教材は数多く開発されている。しかしながら、学校現場において、継続的に折り紙が用いられることは極めて少ない。本発表では、日頃の算数・数学の授業における折り紙の継続的な利用について、その有用性や問題点を踏まえて、いくつかの実践を紹介する。 - 15:15-15:40 折り紙と韓国の教育
- 松浦英子
折り紙の教育的価値の評価が高い韓国では、子どもへの折り紙教育が盛んである。学校教育では造形教育に取り入れられており、韓国の教育政策である「放課後学校」にも折り紙の時間がある。お稽古事としての折り紙も定着しており、韓国では、その子ども向け教育プログラムだけでなく、子どもを指導する講師育成プログラムの運営や開発も盛んである。今回は韓国折紙協会の事例を紹介する。 - 15:40-16:00 『かげえのおりがみ』にみるシルエットと折り手順についての考察
- 鶴田直也
1981年発行の笠原邦彦著『かげえのおりがみ』は、紙を折り畳んだ後のシルエットから折り手順を推測するクイズを取り扱った本である。掲載されているクイズは、目印のある折り方のみを用いて3回だけ折るというルールで作成されており、折り紙研究における数え上げの問題とも関連深い。本発表では、各問題にヒントとして示されている2手目のシルエットに着目し、シルエットクイズにおける折り手順数について考察する。 - 16:00-16:20 正方形からの正五角形切り出しについての2、3の話題
- 西川誠司、松田景吾
正方形から最大の正五角形を切り出す折り紙的に実用的(精度の良く、余計な折りすじが少ない)な方法を紹介する。また、最大の正五角形の配置はほとんど自明に思えるが、確認方法を示す。時間があれば正方形から正五角形を切り出す既往の方法も併せて紹介する。 - 16:20-17:00 飛び入り発表など
発表者募集
締め切りました。過去の研究集会の情報
- 第1回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2006年12月)
- 第2回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2007年5月)
- 第3回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2007年12月)
- 第4回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2008年6月)
- 第5回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2008年12月)
- 第6回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2009年6月)
- 第7回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2009年12月)
- 第8回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2010年6月)
- 第9回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2010年12月)
- 第10回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2011年7月)
- 第11回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2011年12月)
- 第12回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2012年6月)
- 第13回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2012年12月)
- 第14回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2013年6月)
- 第15回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2013年12月)
- 第16回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2014年6月)
- 第17回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2014年12月)
- 第18回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2015年6月)
- 第19回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2015年11月)
- 第20回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2016年6月)
- 第21回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2016年12月)
- 第22回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2017年6月)
- 第23回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2017年12月)
- 第24回折り紙の科学・数学・教育研究集会(2018年6月)