イベントを読み込み中

イベント

イベントを読み込み中

第39回折り紙の科学・数学・教育研究集会(12/13,14)@愛知工業大学

2025年12月13日 / 13:30 2025年12月14日 / 16:30 JST


参加申し込み

こちらからお申し込みください。

参加費

  • 現地参加:2000円 (懇親会参加:+5000円)
  • オンライン参加:1000円
  • オンライン・グループ参加(学校などで1端末を複数人で視聴):2000円

会場

愛知工業大学自由ヶ丘キャンパス


日程・概要

  • 12月13日(土)(オンライン配信あり:オンラインでは、ワークショップの資料の配布等はしません)
    • 13:30-17:00 : 講演、ワークショップ、口述発表
  • 12月14日(日)(オンライン配信あり:オンラインでは、ワークショップの資料の配布等はしません)
    • 10:00-16:30 : ワークショップ、口述発表

主催

主催:日本折紙学会

協力:愛知工業大学 宮本好信


第15回折紙探偵団名古屋コンベンションと同時開催です。

  • 同会場(別フロア)での同時開催です。
  • 折紙探偵団名古屋コンベンション
    • 100名以上の折り紙作家、愛好家が集まって、折り紙教室を中心に、交流をする集まりです。
    • 詳細はこちら。
  • 双方の会の参加者は他の会の展示を自由に見学することができます。
  • 重複参加も可能です。
    • 時刻で選択的にどちらかの会の参加するかたちになります。
    • 参加料の割引はありません。
  • 懇親会は双方の会の合同で行います。

プログラム

当日までに変更になることがあります。

2025年12月13日(土)

13:30開会
13:35-14:05講演:切折紙立体曼荼羅 Three-dimensional Kiriorigami Mandala 宮本好信
日本と世界の切折紙の歴史と技法を概観し、特に面外立体化の技法を詳述する。次に、回転動作型のRES (Rotational Erection System) に対し、サラス機構に基づく並進動作型のSES (Sarrus Linkage Erection System) を提案する。その原理と設計事例について、実物の模型作例やOrigami Simulatorによるシミュレーション結果を用いて解説する。
休憩
14:10-14:25RES多剛体運動解析 / Multi-Rigid-Body Motion Analysis of RES 神谷恵輔、宮本好信
剛体折り紙は、特異姿勢や冗長拘束など従来の計算手法では困難な課題を呈する。本研究では、神谷が開発した「微分方程式型零空間行列法」を用い、連続性を保証する頑健かつ効率的な解析手法を適用した。剛体折りを可能にしたRES模型は、多自由度化により実験では軸対称性を維持できなかった。これに対し、本計算手法を用いることで、外的制約なしに軸対称性を維持した剛体運動を予測できることを示す。
14:25-14:45Verheyen platformの一般化とテセレーション 割鞘奏太、舘知宏
Verheyen platformは、2面とそれらを結ぶリンクを、二面角を保つジョイントで接合した過拘束機構であり、Jitterbugのように2面が互いに回転しながら展開する1自由度の変形モードを持つ。本発表ではこの機構を一般化し、球面上の完全2部グラフK_{2,n}に基づいて構成する。さらに、この機構を球充填に基づき空間充填する手法を示す。この充填機構は1自由度でxyz方向に等方展開する。
14:45-15:00キリオリガミによる四節リンク機構と折紙変換 松本紘華、舘知宏
リンク機構は、線材とピボットを面材と回転ジョイントに置き換えることで、切り込みのある剛体折紙(キリオリガミ)として実現可能である。本研究では、キリオリガミによる四節リンク機構が二つのモードを取る場合について、モードの選択による機構の特徴を明らかにする。さらに、この概念を平面リンクから球面リンクへ拡張した上で、四価頂点折紙との対応とその変換について検討する。
休憩
15:05-15:25複数の多角形からなる図形の敷き詰めからなる折り図の自己折り畳みについて 中島千尋(オンライン)
三角形、四辺形、六角形の組合せからなる図形の敷き詰めにより構成されたいくつかの折図に対して自己折り畳み(self folding)ができることを見出した。この折図の構成法、山谷割り当て、および割り当てに対して課される制約について紹介する。
15:25-15:40非可展な四価頂点ユニットを用いた多角柱折り紙の変形制御 来栖裕也、舘知宏
多角柱を紙で作ると、折りたたみ動作で断面を変形できる。八角柱なら四角柱へと形状変化可能であるが、N角柱なら機構はN-3の多自由度であり、狙った形状変形のみを実現することは難しい。そこで本発表では、折り線と折り線の間に非可展な4価頂点を組み合わせたユニットを挿入し、折り角を相互に拘束することで変形をコントロールする手法を提案する。
15:40-16:00折り紙構造の社会実装の取り組み 石松慎太郎
(株)OUTSENSEでは、建築・自動車・包装・インテリアなど多様な分野で折り紙構造の社会実装を進めています。本発表では、折り紙構造を産業製品へと転用する際の設計プロセス、企業連携による量産化の取り組み、そして市場から見た需要の傾向と今後の可能性について紹介します。
休憩
16:10-16:30ワークショップ:RESユニット切折紙 Modular RES Workshop 宮本好信
RESユニットをつなげて構成する立体構造のワークショップです。カット済みの型紙を折りあげて、複数の四角錐台ブロックを成型し、これらを連結・積層した造形物を制作します。Webアプリ(Cuttle.xyz)でユニット設計して紙切断卓上加工器(Cameo)でRESユニット部品を制作する方法も実演します。
16:30-17:00ワークショップ:ランダム・ウォーク スポンジ・キューブ 五味奈乃穂、宮本好信、正井秀俊
愛工大建築学科の導入教育で活用しているスポンジキューブ(原作:川崎敏和)をゲーム化した共同制作のワークショップです。1つあたり15cm角用紙4枚でできる基本ユニットを各自数個つくり、グループ作業で基本ユニットを組み上げます。サイコロを振ってランダムに組み上げるというルールによって、偶発的・生成的造形を成長させます。

2025年12月14日(日)

10:00開会
10:05-10:20曲線折紙による造形表現と展示の工夫 三谷純
本発表では、これまでの講演者の経験に基づく、曲線折紙を展覧会等で展示するための作品として成立させるための仕上げ技法を紹介する。折り角度の保持や紙繊維の弾性回復への対応として、霧吹きと乾燥を組み合わせたWet Foldingの実践をはじめ、円筒作品の形状維持に3DプリンタやPPシートを活用した補助構造を提案する。さらに、形状の修復、展示台座や照明など、見栄えと完成度を高めるための展示手法を考察する。
10:20-10:35浸透圧で折るゲル折り紙 中島祐
ゲルという素材を用いた折り紙を開発した。ゲルは水を含んだゴムであり、ゴムには折り目がつかないため、一般に折り紙技術の適用外である。しかし我々は、ゲルにレーザーを走査した後に水に浸すと、レーザー走査部位のゲルが選択的に水を吸収して屈曲し、折り目となることを見出した。これを利用し、ゲルシートにレーザーで折り目パターンを刻印し水に浸すことで、パターンに従った折り紙構造を自発的に形成させることに成功した。
10:35-10:55回転要素を含む2 成分ハニカムの展開挙動 米田大樹
平面内で頂点角度可変の潰れる六角形と剛体を維持する六角形の2成分ハニカムの展開幾何学と力学応答を考える。潰れる六角形と剛体六角形を2対1のパターンで配置すると、最展開状態では等方弾性に一致するが、一部の六角形が潰れることで部材が有限回転し、体積弾性率が消失する。そして収納状態では剛体六角形のみが敷き詰められた配置になる。いくつかの変形パターンとと欠陥構造の発生についても紹介する。
休憩
11:00-11:30ワークショップ:立体ガジェットを用いた折紙押出成形の体験 土井護
折紙押出成形とは、平らな紙片から外縁部を平らに保ったまま内部に立体を折り出すことである。その構成要素となる様々な種類の立体ガジェットのうち、特に正・負・切頂型の立体ガジェットの構成法については、今年10月末に刊行された8OSME論文集の第Ⅳ巻で50ページにわたり解説されている。本ワークショップは、あらかじめ折り線をスジ入れ加工した紙片を用いて折紙押出成形を体験し、これらの立体ガジェットの特徴に触れることを目的とする。
11:30-12:00ワークショップ:牛乳パックを使った球体容器の産学共同開発 舩倉大和、上原隆平、鎌田斗南、谷口智子
石塚硝子グループとJAIST上原研究室は、牛乳パック製造技術を基盤にした3次元的な球体容器の共同開発に取り組んでいる。本発表では、設計プロセスや、現在の試作、テストランの様子を紹介する。
昼休み
13:30-13:50地図折り問題 宇野裕之
地図折り問題は、格子状に並んだ単位正方形からなる長方形の地図を、折り目に与えられた山谷の折り方にしたがい自己交差することなく平坦な単位正方形に折りたたむことができるかどうかを判定する問題である。地図折り問題や関連する研究を紹介し、平坦折り不可能なあらたな地図のパターンなどを示す。
13:50-14:10単純折りによる異種地図折りパターンの外周重なり順到達可能性解析 賈伊陽
本研究は、地図折り問題の変種として、異なる格子状パターンに対し、指定された外周レイヤーの重なり順が単純折り操作のみで実現可能かを判定する問題を扱う。折り操作の順序交換に基づく同値関係を定義し、交換可能な折り操作を分類することで、目標重なり順を逐次構築するアルゴリズムを提案する。解析の結果、三種類の格子(標準格子・1-対角格子・2-対角格子)すべてに対し、多項式時間で判定可能であることを示した。
14:10-14:30芳賀定理の正2n角形への拡張 高野航輔
正方形の折り紙の辺を内分する方法に関する定理として、芳賀定理が知られている。今回、芳賀定理を正2n角形の場合へ拡張し、正2n角形の折り紙でも正方形の芳賀定理と同様の主張が成り立つことが分かった。また、nが3以上のときの正2n角形においては、正方形の芳賀第2定理に対応するものが2つ存在することが明らかになった。
14:30-14:50局所平坦折り可能な45度格子展開図の効率的な数え上げ 櫻井亮佑
正方形の折紙用紙に縦、横、斜め45度、斜め135度の格子状の折り筋をつけ、その折り筋のみを使ってできる展開図を45度格子展開図と呼ぶ。また、展開図内部の任意の点において、その点の近傍を平坦に折りたためることを局所平坦折り可能という。本発表では12×12まで大きさの局所平坦折り可能な45度格子展開図を効率的に数え上げる手法を紹介する。
休憩
15:00-15:20吉澤章作品の創作年代の考察 木下芳夫(オンライン)
今年は、吉澤章没後20年に当たる。生涯に渡る創作活動で制作した作品は数万点に上ると言われる。しかし、その創作年代については明らかでないものが多い。遺された記録・資料から作品を創作した年代・傾向を明らかにしたいと考察を試みた。今回、その内容を紹介する。
15:20-15:40「折り紙」教材の分類を基にした折り図を用いた教材の開発と実践 烏山凌輔
「折り紙」教材を、空間図形の操作に対応する活動と課題場面により分類することを試みている。その中で折り図を用いた教材の少なさに着目し、教材開発の可能性を探った。その上で中学校第一学年の生徒を対象とした授業実践を行った。生徒のワークシートや折った作品を分析することで、折り図を用いた教材について考察する。
15:40-16:00折り図における「カド」の最適英訳をめぐる問題 立石浩一
本研究は、折り図に使われる日本語の「カド」を英語に翻訳する際の課題を検討した。 「カド」は文脈に応じて「corner」「flap」「layer」などに訳されるが、意味範囲が広く、一対一の訳語対応は困難である。 英語の「corner」が訳語として頻出するが、「カド」の意味に対応しない場合もあり、文脈を考慮した翻訳が求められる。 それゆえ、「訳さない」という選択肢が頻繁に用いられる。 他にも折り図内の訳出困難語は存在し、さらなる探求が求められる。
16:00-16:20「折り紙」と「origami」のもつ同一性と相違性の検討 松浦英子
世界各国に存在する、紙を折ることを主体とした造形活動を、リリアン・オッペンハイマーが「origami」という名称で共有しようと働きかけた結果、origamiは科学・数学・教育・芸術など多くの分野で発展した。一方、日本では「伝統的な手遊び」という認識が一般的である。本研究は、世界で共有されている「origami」と日本の「折り紙」の使われ方の違いを整理して、明確にすることを目的とする。
16:30閉会

過去の会など

こちらをごらんください。


問い合わせ

*」は必須フィールドを示します