らせんおり【螺旋折り】《名》 折り目が無限に続き、ひとたび折り始めるや、永遠に折り続けることになる最も恐ろしい折り紙の技法。川崎敏和氏の巻き貝などで使われている。永遠とは言っても、川崎氏がいまだに巻き貝を折り続けてるという話を聞かないところをみると、途中でやめることもできるのかもしれない。しょせん、ひとの為すわざに永遠などないのであろう。
らんぐ【Lang】《人名》 Robert Lang 米国折紙界の巨人(身長190センチメートル)。かつては長方形の紙も使用していたが、いまや不切正方形一枚折り専門。ちなみに、不切正方形一枚折りというのは、ひとたび熱中するや、より複雑なものを折らなければならなくなる恐ろしい折り紙の技法である。
りかけい【理科系】《名》 コンピュータと一日中にらめっこをする、白衣を着て試験管や放射性物質を振り回す、小難しい数式をこねくりまわす、といった日常を送っているひとたち。折り紙界の一大勢力を為す。その他の折り紙界の勢力としては、「お子様」、「奥様」、「芸術家」、「大飯喰らい」などがある。
りずみかる【rhythmical】《形》 流れのよい折り紙作品の工程を評価する言葉。踊りながら折るわけではない。先日のコンベンションで踊りながら講習したひともいたらしいが、トランス状態の本人に自覚はなかったようだ。
りったい【立体】《名》 幅と奥行き、高さを持っていること。平面の紙から始める折り紙作品が立体となるのには、次の2つの理由がある。(1)中に空気がはいっている。(2)折りに根性がはいっている。
るいじ【類似】《名》 似ていること。折り紙作品が似ている場合、次の3つの場合がある。(1)偶然似た。(2)真似した。(3)ぜんぜん似ていないのに、似ていると主張する。
れざっくななじゅうご【レザック75】《名》 皮革に似た加工がほどこされた紙のひとつ。折り紙に適している同種の紙として、薄手の「ゴールデンリバー70」がある。この名称の由来については、当辞典編纂室の調査能力を駆使して調べたが(実はなにもしていない)判明しなかった。(リバーとは川のことか、肝臓のことか? 黄金の肝臓! 酒に強そうだが、いったい紙とどんな関係が・・・) 紙に凝りだすと、銀座の伊東屋や渋谷の東急ハンズに行くたびに(ローカルな話題だなあ、首都圏の住人以外に通用せんぞ)紙を買わずにいられなくなるが、置く場所もないのに買いだめをすると、あとで困ることになる。巻き癖がついた紙から正方形を切り出すのは、まったくもっていらいらする。(思い出しただけでも腹がたってきた。くるりん。うおおおー)なお、布施知子さんは「全紙入れ」を持っているが、彼女の家では、湿気と虫という別の大敵の攻撃がある。(この項目、ひとりボケ・ツッコミの度が過ぎる。寝不足かな。ちょっと休もう。 <一服> 気を取り直して、格調高く次の項目へ)
れんがおり【煉瓦折り】《名》 煉瓦の壁のような同一パターンの繰り返しを折り出す技法。「平織り」と同義。ひとたび折り始めるや、紙全体をパターンで埋め尽くせずにはいられなくなる恐ろしい技法である。
れんかく【連鶴】《名》 「れんづる」ともいう。切り込みを入れた一枚の紙から様々に連結した複数の折り鶴をつくる技法。古典の「秘傳千羽鶴折形」が代表。ひとたび折り始めるや、紙がちぎれる恐怖との戦いを強いられることになる恐ろしい技法である。
ろこうあんぎどう【魯縞庵義道】《人名》 江戸中期の桑名の僧。「秘傳千羽鶴折形」の作者。正確には、同書収録作品の作者。同書にはかなり艶っぽい狂歌なども書いてあるが、その作者は魯縞庵ではない。この話題は、岡村昌夫氏がひとたび触れるや、話が止まらなくなる恐ろしい話題である。
わし【和紙】《名》 日本古来の製法による紙。楮、三椏などの繊維を、トロロアオイの粘液をつなぎにして漉く。トロロアオイの粘液は漢方薬として胃にもよい。ちょっと、そこのひと、紙を食べても胃によくないよ。ヤギじゃないんだからやめなさい。
わくあつや【和久敦也】《人名》 折紙探偵団員きってのエンターティナー。セミプロ手品師。マジックの力量が、手先の器用さのみならず話術にあることが、氏を見ているとよくわかる。なお、折り紙はときに「ペーパーマジック」と称されるが、「カミノマジック」は馬の名前である。
をる【をる】《固有名》 株式会社双樹舎発行の季刊誌。日本折紙協会発行の「おりがみ」、折○探○団発行の「折○探○団新聞」と並んで、本邦における折り紙三大定期刊行物のひとつ。発行部数は不明。正直言って、採算が取れるほど世の中に折り紙愛好家がいるのが不思議でならない。
をる【折る】《動》 まっすぐになっているものを、ごちゃごちゃと曲がりくねった状態や分裂した状態にすること。骨をー、話の腰を−。
ん【ん】《間投詞》 ん? これで、終わり? どっこい、終わらない。次回がどうなるか、期待しないで待て!

1996 MAEKAWA