はがていり【芳賀定理】《名》 芳賀和夫氏による定理。二回の工程で正方形の一辺を正確に三等分する方法が示される。同氏には、こうした数理的な面白さを狙った折り紙の試みが多数あり、それらをORIGAMICS(ORIGAMIという語に科学・学問を表す語尾ICSをつけた造語)と総称している。

はくさん【白山】《地名》 東京都文京区の中央部に位置する折り紙界の聖地。白山神社近くの「おりがみはうす」に、折り紙の上達に霊験あらたかなアメノヤマグチノマコト(天山口真命)が祀られている。神主は高井弘明氏。

はさみ【鋏】《名》 一度つくってしまうと元に戻らない特殊な折り目(切り込みともいう)をつくる道具。

はつねみねこ【初音みね子】《人名》 TVチャンピオン折り紙大会準優勝者。会合などで和服を着ていることが多い。

はとり【羽鳥】《人名》 (1) 羽鳥昌男。モーツァルトを聞きながらロバート・ラング氏の作品を折る、寿司屋の若旦那。(2) 羽鳥公士郎。ジョン・ケージを聞きながらジョン・モントロール氏の作品を折る、蕎麦屋の息子。

はんかいおり【半開折り】《名》 笠原邦彦氏考案の、半開きの折り目を造形の主とする作品群。究極の「見立て折り紙」であり、目を半開きにして見るとよい。

ひでんせんばづるおりかた【秘傳千羽鶴折形】《固有名》 現存する世界最古の遊技折り紙の本。1797年刊。京都の高木智氏や当辞典編纂室垂涎のお宝だ。

ひらおり【平織り】《名》 同じ折り目のパターンを二次元的に反復させた作品。折っただけで織ったわけではないのに、織ったようにしか見えないのでおったまげる。藤本修三氏の命名。

ふじたふみあき【Humiaki Huzita 藤田文章】《人名》 正七角形の作図や曲線折りなど、折り紙の幾何学にのめりこんでいるイタリアの物理学者。

ふじもとしゅうぞう【藤本修三】《人名》 多面体や平織りなどの幾何的な作品を休むことなく生み続ける創作家。本当に休むことがないので氏の家は作品に埋もれてしまい、別宅を新築したという。

ふしみこうじ【伏見康治】《人名》 著作「折り紙の幾何学」で折り紙界に大きな石を投じた物理学者。白い顎髭は折り紙界の仙人といった風貌である。

ふしみみつえ【伏見満枝】《人名》 伏見康治氏の折り紙における共同研究者。

ふせつせいほうけいいちまいおり【不切正方形一枚折り】《名》 一辺30センチを越える正方形の紙から、大きさ数センチの作品を折り出す技法。

ふせともこ【布施知子】《人名》 信濃ノ山ノ林ノ奥ノ大キク傾ヒタ家ニ居テ、一日ニ自家製果実酒数杯ト、茸ト沢山ノ山菜ヲ食ベ、いたりあデ会合ガアレバ、行ツテ美術館巡リヲシ、長崎ニ講習会アレバ、行ツテ御馳走ヲ食ベマクル。村随一ノ高額納税者ト呼バレ、誉メラレルト喜ビ、カラカフト本気ニナル。サウイフ者ニワタシモナリタイ。

ぶりる【Brill】《人名》David Brill イギリスを代表する創作家。British Origami Society (BOS)の代表。すなわち、ボスのボス。

ぶんきょうくみんせんたー【文京区民センター】《固有名》 1994年に折紙探偵団の一部首都機能が白山より移転した地。都営三田線春日駅下車0分。ガス水道完備。毎月末土曜、善男善女が集まっては、高尚にして文化的な会合(折紙探偵団例会)が催される。

ぶんし【分子】《名》 折り紙の展開図においてまとまった構造を持つ部分。

ほうじょうたかし【北條高史】《人名》 「天馬に乗った骸骨の剣士が地獄門でリボンベルを鳴らしながらマグロの骨を解剖する」といった作品(どういう作品なんだろう)で知られる若き創作家。

ぼっくすぷりーと【box pleat】《名》 蛇腹折り。直訳すれば「箱ひだ折り」。飛騨の伝統工芸みたいだ。

ほんいでんなおみ【本位田那穂美】《人名》 折り紙探偵団難読姓名部門第一位。初音みね子さん、加藤美子さんと三人で「素敵な奥様三人組」を形成する。「素敵な」という形容詞は季刊「をる」にあったもので、当編纂室としては、・・・特に異論はありませんです、はい。

ほんだいさお【本多功】《人名》 近代折り紙草創期に活躍した折り紙作家。特に海外への折り紙普及に功績が大きい。折り紙界でHONDAと言えば本多功、KAWASAKIと言えば川崎敏和、SUZUKIと言えば鈴木邦雄、TOYOTAといえば川畑文昭である。