まえかわていり【前川定理】《名》折り線についての以下の定理。「1面に折り畳める折り線において、平面上の1点に集まる山線と谷線の差は2である」(ここで述べているのは「1点に集まる山線谷線」についてであり、「折り紙界に集まる海千山千」についてではない)
まくようにおる【巻くように折る】《動》折り紙の基本技法のひとつ。巻くのではなくて「巻くように折る」である。ひねるのではなく「ひねるように折る」である。切るのではなく「切るように折る」である。とにかく折る。これが折り紙の極意だ。
まっきんとっしゅ【Macintosh】《固有名》Appleコンピュータ株式会社のパーソナルコンピュータ。愛称 Mac 。近年折り紙界にもコンピュータを使う者が多くなったが、 そこではMacのシェアが圧倒的である。世を挙げてのWindows95攻勢にあっても、それが揺らぐ気配はない。イラスト描きではまだまだMacに一日の長があるということだろう。ちなみに、折り紙愛好家御用達の製図ソフトウェアは、世間のシェアが第1位であるIllustratorではなく、FreeHandである。FreeHandが最も折り紙の図に適していたということで、折り紙愛好家のマイナー好みによるものではない。
みうらおり【ミウラ折り】《名》シート状の素材を折り畳む研究から生み出された、最も効率的な折り畳み方の技法。展開と折り畳みがワンタッチでできる。三浦公亮氏によって、宇宙空間の大面積建造物(アンテナや太陽電池パネルなど)をロケットに格納する方法として考え出された。いわゆるミウラ折りという場合、同氏による地図の折り畳み方を指す場合がある。三浦半島の地図をミウラ折りで折り畳むのも一興だ。
みたて【見立て】《名》なぞらえること。西川誠司氏は、折り紙の造形が持つ重要な特徴を、一般の絵画・彫刻とは異なり、一枚の紙から必然的に生み出される造形を事物に見立てることにあるとした。庭を極楽浄土に見立て、裏山を須弥山に見立て、一杯の椀を海に見立てるといった日本文化の特徴に連なるとみれば、この論の裾野は思いの外大きい。紙を一枚取って「究極の作品、風呂敷」というのは有名な話。実にお気楽ですばらしい。
みやしたあつし【宮下温】《人名》卒寿を迎えて数年経つ折り紙界の生き字引。最近はコンピュータ(Macか?)で図を描くことに意欲を示していると聞く。
むすびぶみ【結び文】《名》便箋を折り畳んで五角形の結び目をつくったもの。懸想文(ラブレター)に使われたとの説がある。「結ぶ」ということからの説であろうが、中を読むためにはそれをほどかなければならない。さて困った。
めぐろとしゆき【目黒俊幸】《人名》折り紙分子論の提唱者。折り紙設計理論をわかりやすく整理発展させた逸材。理論の成果として、虫がいっぱい飛んだこと、ウニの図を描く者が悲鳴をあげたことなどがある。
めん【面】《名》線の軌跡として生じる図形。「折り紙は線と面の芸術である」という言い方がある。次元を落とすと「点と線」となり「東京駅の疑惑の4分間」を思い出す。などという話はこの際関係がなく、「ひとつ次元を落とした折り紙」とは、ずばり「一筆書き」である。すなわち、「折り紙とは高次元化した一筆書きである」とも言える。
ももたによしひで【桃谷好英】《人名》多彩、多作で知られる折り紙作家。家族のみなが折り紙を楽しみ創作をすることから、「桃谷ファミリー」としても知られる。これに対抗できるのは、一人娘がコンピュータ(Macだ)による図描きに挑戦し始めたという山口ファミリーか、複雑な創作をものにする長男を擁する川畑ファミリーか。名前からいうと、山口ファミリーが強そうだ。
もんとろーる【Montrol】《人名》John Montrol. アメリカを代表する創作家。自らを設計家と任じ、きれいな紙できれいに折るということには興味がない。きれいな服装で着飾るということにも興味がない。モンちゃんと呼ばれている。