ないしょく【内職】《名》 大量のパーツを必要とするユニット折り紙を折っているときに、ふとこれをしているのではと錯覚するもの。裸電球の下、こめかみに膏薬を貼り、乳飲み児を背負って励むと一層効果的。
ないしんのていり【内心の定理】《名》 以下の内容の初等幾何の定理。三角形のそれぞれの頂点の角二等分線は一点で交わり、その点は三角形の内接円の中心(内心)となる。つまみ折りの折り目が、この定理の実践になっている。気づいていたひとは以前にもいただろうが、明示したのは伏見康治氏である。気づいていただけでは「内心の定理」
なかにしけんいち【中西健一】《人名》 折紙探偵団インターネットサイト開設の発案者。カマキリ、マルムネカマキリ、改良版カマキリ、ランカマキリなどの、バラエティーに富んだ(どこがやねん)創作活動でも知られる。
ながのこうへい【長野耕平】《人名》 日本折紙協会の最大の功労者。電話が必ず長話になるので長話耕平さんと呼んでいた。93年没。長話もできなくなった。
なかのどくおうてい【中野獨王亭】《人名》 鳥の折り紙を得意とし、犬の理事長、鳥の獨王亭と呼ばれる。知らないひとが聞いたら何のことかと思うだろう。ナニナニのナニと言えば、次のようなものもある。剣士の北條。これは凛々しい。薔薇の川崎。これは妖しい。骨の一生。何だか分からない。骨にも、誕生、成人、骨粗鬆症、化石といった一生があるという話かと思ってしまうが、「骨格標本の吉野一生」ということだ。
なかよしおりがみ【仲良し折り紙】《名》 一枚の紙から動物の雌雄を折り出すことで生命の神秘を表現した一連の作品群。山田勝久氏の創案と命名。
なかわりおり【中割り折り】《名》 折り鶴の頭のように、山折りの一部分を谷折りに変えることで作られる折り目の構造。あるいはその折り目を作る技法。折り紙愛好家以外には通用しない専門用語なので、講習会などで使ってはいけない。「中を割って折ります」と言うべきである(同じような気が・・・)
にしかわせいじ【西川誠司】《人名》 折紙探偵団団長。初代団長の引退の意をうけ、某月某日、例会の出席者の総意によって選出された。某月某日としか書けないのは議事録がないためで、会合が秘密の儀式となっているためではない。幅ひろい見識と周囲への心配りを忘れない性格、折り紙に対する深い情熱、大きい胃袋など、団長として申し分のない長所を併せもっている。TVチャンピオン折り紙大会優勝者。
にじゅうなみがたかてんきょくめん【二重波形可展曲面】《名》 または、二重波形可展面。ミウラ折りの正式名称。縦方向と横方向のふたつのジグザグ(波形)で構成され、かつ展開(及び折り畳み)が可能な構造であることを示している。
にじゅうなみがたかてんきょくめん【二十並型勝てん局面】《名》 二十歳過ぎて並の人になって世間の壁にあたることを示している。
にそうぶね【二艘船】《名》 伝承折り紙のひとつ。ひとつだがふたつになっているひとつ。
にほんおりがみきょうかい【日本折紙協会】《団体名》 日本で最も会員数の多い折り紙愛好家の団体。「世界で」ではない。オランダの協会が世界最大。それでも、機関誌「おりがみ」と「折紙探偵団新聞」の部数の比は、「週刊少年ジャンプ」と「月刊盆栽世界」ぐらいはある。毎年一回開催されるシンポジウムは全国各地の温泉を転々とし、全国制覇と会員の健康増進に貢献している。→NOA
ぬさ【幣】《名》 神事に用いる捧げもの。様々なタイプがあるが、紙を稲妻状に細工した紙垂(かみしで)を指すのが一般的。御幣(ごへい)。折り紙のルーツと言い切ってしまうと語弊がある。
ねじりおり【捻り折り】《名》 川崎敏和氏の「薔薇」などに使われているらせん状の折り目とそれを作る技法。藤本修三氏の創案・命名である。氏がねじり出し、ひねり出した作品は、一冊の本になっている。
のあ【NOA】《団体名》日本折紙協会の略称。旧約聖書のノアはNOAHである。いや、なに、「英知が足りない」などと言いたいのではない。
のし【熨斗】《名》 のし鮑(あわび)の略。主役の鮑は忘れ去られ、そのパッケージを指す言葉となった。儀礼用の折形の代名詞にもなっている。シンプルな造形は、「その言葉に熨斗をつけて返してやるぜ」と言ってからスーパーコンプレックス作品を折り始めていては喧嘩にならないためである。
のり【糊】《名》 表舞台には登場せず、裏で大活躍をしているもの。秘密諜報部員との類似から「ボンド」ともいう。
のり【海苔】《名》 海苔を一枚用意し、湿らせて折り鶴を折ります。天麩羅油で揚げれば、素敵なつけあわせの出来上がり。食卓がぐっとにぎやかになります。詳しくは、テキスト(季刊「をる」八号)をご覧ください。